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ヒーローズ/Heroes :: 3-01 :: (Volume Three: Villains) The Second Coming :: ネタバレ

transヒーローズ/Heroes。シーズン3プレミア。ネタバレ!
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NY。マンハッタン。4年後の未来。

ピーターが走っている。彼の顔には大きな傷跡がある。どっかに逃げ込むと、そこには銃を持つこわい顔のクレアが待っていた。彼女は銃をピーターに向ける。ピーターは『彼ら』の話をする。

「待て。射つな。彼らがおれたちを見つけた日におれは戻る。そして未来を変えてやる」「もう遅い」「考えろ。彼らが我々の存在を知らなければ、おれたちは実験をされたり、逃げ隠れしなくてもよくなるじゃないか。このちからはすべてを破壊してしまうんだ」「わたしは自分の力を気に入っているわ。あなたもそう思えればよかったのに」「クレア、どうしちゃったんだヨ!だいたい君はどうやってここにきたんだ?」「わたしは変わったの。わたしは特別」「おれが治してやる」「残念だわ、ピーター。あなたを愛していた」

クレアはズドンと射った。ピーターは時間を止めた。その場から逃げた。クレアはくそォと悔しがった。

現在。

未来からジャンプしたピーターはどこかの建物の廊下にいる。走る。廊下の先は、シーズン2ラストのネイサンのスピーチ会場だ。プレスたちはネイサンの演説に大注目。彼がこれからなにか大きな発表をするっていうので集まった彼らは、背後からきた怪しい男に気づかない。

未来ピーターはそろりと接近。兄ネイサンを射殺。2発が胸に命中。あたりは騒然となる。未来ピーターはくるりと向きを変えて逃げる。ネイサンの隣にいた現代ピーターは、逃げる犯人の背中を見た。追う。未来ピーターは途中どこかの棚に銃を置いた。そしてトイレに逃げ込んだ。現代ピーターはトイレに逃げ込む犯人を見てダーと走り込んだが、その先で犯人は消えていた。黒い服と黒いキャップだけを残して。

Costa Verdeの自宅にいたクレアはテレビニュースを見て仰天。ピーターに電話。彼は救急車の中だった。重態と聞いたクレアは「すぐにそっち(テキサス、オデッサ)にいく。わたしの血液があれば救える!」といったんだけど、なぜかピーターは拒否。「なにかあれば知らせる」と答えて切った。

翌朝。ネイサン死亡。病院に泊まったピーターは兄の死体と対面。と思ったら、ネイサンはドラキュラみたいにガバッと起きた!

オープニング〜♪

ヒロ。ここは東京のヤマガト・インダストリーの社長室。ヒロは社長になっていた。アンドーが入室。「シャチョ〜!ヒロ、すごいなー!おまえは大金持ちの権力者。すごいよすごいよー」「アンドー、ぼかぁ、お金にきょうみないの。お金は運命を導いてくれないでしょ。一日中ポケーとここに座ってるひまじんになっちゃった。あーあー」

ハマちゃんとスーさんみたいである。そこにひとりの男が入室。スーツを着た小男が入ってきて、丁重にお辞儀をし、ヒロになにかを渡した。彼はヒロの家の弁護士。ヒロが受けとったのは、父カイト・ナカムラが息子に残したビデオレターだった。ヒロはわーいと喜んだ。

クレア。家にいてテレビにかじりついてたが、いてもたってもいられない。彼女はやっぱりテキサスに行くぞとドアを開けた。なんとそこにはサイラがいた!

「やぁクレア。驚いたか?ぼかぁ人生の回り道をしていたの。国境の向こうにいったりしてえらい目に遭ったが、それもぜんぶ昔のこと。タコスの長い夜なんてのもあったね("a long night after a bad taco" てのは、テキサスでノアに捕まった頃のことと思われ)」「あなたがヒロ・ナカムラに殺されるのをわたしは見た」「うむ。あれから治ったんだ。でもまだ完璧じゃない。だからここにきたってわけ」

サイラの目的はクレアの治癒能力を奪うことだったが、彼女はそこらへんにあった置物でバコンと殴って逃げた。サイラは念力パワーでクレアの逃げ場を封じて追う。彼女は家の中を逃げ回る。クレアは死んでも死なない女なので、この場合どうなるんでしょうか。彼女には気の毒ですが、私は結果を見てみたい。

モヒンダー。NYの自分のアパートに帰ってきたら、マヤにブン殴られた。サイラがきたと勘違いしたそうである。ちょとおさらい。シーズン2のフィナーレで(2-11 :: Powerless)、モヒンダー、マヤ、モリィの3人はサイラに拘束された。カンパニーがモヒンダーに与えたラボ(かつてアイザックのアパートだった)での出来事です。そこにエルが突入してきてサイラを撃退した。彼は逃げた。その後のお話です。

モヒンダーはモリィを飛行機に乗せてどっかに預けてきたらしい。どこか危険のない場所に。「ほんとにこれでよかったんだろうか」なんていってたが。さてマヤはあらためてモヒンダーにお願いをした。「わたしは能力をなくしてもらいたくてアメリカにきたんです。先生、お願いします」と頼んだが、彼の返事はツレないものだった。「ぼくはインドに帰ることにした。研究はデッドエンド。君を助けるのはむりです」なんていう。このひとは誠実キャラのくせに、なにかっちゅうと「インドに帰る」をいいだす癖がありますね。ハイチ人に頼んで自分がインド人であることを忘れさせたらいいと思う。

この非情な言葉にマヤは怒る。ガガガーとおめめまっくろ警報発令。モヒンダーは苦しくなる。うぐぅ。が、マヤは以前のマヤではない。彼女は能力を抑えることを学習してるので、感情を抑えることができた。モヒンダーは彼女の呪われた能力を理解した。感情の高まりによって発現することを知った彼は「おぉおおそうかー!」と閃いた。

人間の感情の変化は分泌されるホルモンによる。副腎は様々なホルモンを分泌し、人間のストレスをコントロールする。モヒンダーの父はすべては血液の中に秘密があると信じ、遺伝子を抽出しようとしたが、そもそもそれが間違いだったのではないか。能力者の秘密は血液ではなく、じつはアドレナリンにあるんじゃないか。というような仮説をうれしそうに述べた。彼の鼻からアドレナリンがシャワーのように出てきそうな顔である。モヒンダーはインドに帰るなんていってたことを忘れた。

ヒロ。アンドーといっしょに父カイトのビデオレターを見る。すごくうれしそうだ。「おまえがこれが見ているということは、わたしは死んだってことだ」と始まるカイトの話は、ヒロの果たすべき役割についての説明だった。「わたしとわたしの父が代々守ってきた秘密がある。金庫の中に厳重に保管されているものを悪人に渡してはならぬ。おまえはわたしがやったようにそれを守るのだ。それがおまえの義務である。おまえはぜったいに金庫を開けてはならない。おしまい」

「ぜったいに金庫を開けるな」なんて『鶴の恩返し』みたいである。金庫ってのはヒロがいまいる社長室に鎮座するデカイ箱だ。扉もダイヤルもないただの箱。ヒロは父の言葉にがっかりした。「監視員なんていやだ。おれは英雄になるんだ」と怒って、金庫の鍵を探した。リモコンカードを発見。押してみた。金庫の扉がぐわーんと開いて、指紋認証のパネルが出てきた。自分の指を置いてみた。開いた。かんたんじゃん!でもお父さんのいいつけを破っていいんでしょうか。

封筒が出てきた。表に「再生せよ」と書かれてあって、またビデオレターが出てきた。「金庫を開けるなといったではないか!」と怒られた。ひぃ。そこから先が真のメッセージだった。封筒の中に半分に破りとられた紙の片割れがあり、それはなにかの化学式が書かれてある。わるもんたちがそれを必死で盗もうとするからぜったい守れという話であった。さらにカイトはへんなことをいった。「もしわるもんが成功してしまったら、望みはたったひとつになる。それは『純粋な血を持つ選ばれし者。暗闇から防御する光』である。わかるか?」という言葉は意味不明だが、とにかくこの化学式を守らなくちゃいけないんだってことはわかったぞ。

ここでシーズン3の新キャラ登場。スピードスターのダフニーちゃんだ!(この時点では名前は明かされてないのですが)リスみたいにすばしっこい小悪魔ギャルである。彼女はものすごい速度で走れる能力を持つ。彼女の前ではヒロの「エイヤッ」も役に立たなかった。静止した中で「あなたが完璧に時間を止めたんなら、わたしがノコノコ歩けるわけないでしょ?」なんていってたので、静止してるように見えてじっさいは超スローに時間が流れているらしい。*ほぼ* 時間が止まった状態の中を普通に歩けるってことは、彼女はものすごい速度で動けるってことなんだと思われ。

ヒロは父から守るように厳命された化学式の紙の片割れをヒョイと盗まれた。「もしわたしがバンコクまで逃げてあなたが追っかけてきたら、東京じゃどうなるの?ずっとこのまま止まってるわけ?」という質問をし、ヒロが「わかんないヨ」と答えると「立ち上がったら考えてね」といった。ヒロが不思議顔で「ぼくはいま立ってるよ」といったら、パンチイッパツ。ヒロはどでんと尻餅をつき、その瞬間、時間は正常に戻り、ヤマガト社員のみなさんはとつぜん起きたつむじ風におののき、ダフニーちゃんは最速エキスプレスで逃げていった。こりゃまた強敵です。

未来ピーターが銃を隠した場所に現代ピーターがきた。銃を回収するためにきたのだったが、その行為から想像がつく通り、なにかウラがありそうである。マットが先回りして待ち構えていた。マットは隠された銃を発見し、だれが取りにくるかと待ってたんである。マットは「なぜそこに銃が隠されているのを知ってたのか?」と当然の質問をし、マインドリーディングを試みたが、失敗。ピーターはソレをブロックした(みたいだった)。マットは驚く。

ピーターの顔に傷跡が現れた。別人格に変わったような雰囲気。彼は驚くマットに秘密を明かした。「ぼくは未来からきた。ネイサンが能力者の存在を世界に暴露するのを止めるためだ。あれから変わってしまったのだから、ぼくはやらねばならなかった」

ネイサンが生き返るのも予定通りだったらしい。ピーターは絶句するマットを不思議な力を使って消してしまった。どっかに瞬間移動させたみたいなかんじで。ピーターが廊下に出て歩いていくと、顔の傷跡が消えた。傷跡だけでなく、髪型と服も変わった。

私たちは混乱する。冒頭のクレアとの会話を合わせて想像するに、ネイサンが世界にヒーローズの存在を公表しちゃったせいで未来は暗転するから、それを修正するために未来からやってきたということらしいが、未来ピーターと現代ピーターがどう(&なぜ)入れ替わってるんだかよくわかんない。

ネイサン。2発の銃弾を胸に受け、死亡確認されたのちに奇跡の復活をした彼はたちまちニュースネタになった。病院前にはキャスターがいて仰天ニュースを伝えていたらば、その後ろをネイサンがスタスタ歩いていった。彼は近くの教会に入った。礼拝堂でイエス様の像をぢーと見たのち、近くにいた女性にスペイン語(かな)で「今日、わたしは神を見ました」といった。女性はホエー。

ネイサンはイエス様のような顔つきで復活を宣言。キャスターとそのクルーが飛んできた。キャスターが質問。「あなたはあのときなにかをいいかけていたでしょう?いまそれを語ってもらえますか?」といったら、物陰からこっそり見ていたピーターはカチリと銃の安全装置を外した。が、ネイサンはヒーローズのことには触れなかった。

「神のメッセージを伝えます。それはとてもわかりやすいものです。わたしたちはみんなつながっています。わたしたちの未来、希望、子供たち。わたしたちたちはしばしば個人的な争いをやっていますけど、だけど、わたしたちはひとりぼっちではありません。みんなでちからを合わせることだけがこの星に意味を与えるたったひとつの方策なのです。わたしたちの運命はひとりひとりにかかっています。その先には高貴な到達点が待っています。それは我々自身が救済されること、すなわち地球を救うことなのです」

これを聞く者たちはポカーン。辻説法をするイエス様みたいになってしまった。みんなは魔法の言葉に酔うように彼のお言葉を拝聴した。しゃべり終えたネイサンは十字架をぢっと眺め、その目はウルウルであり、やがてドタッとひたりこんだ。ピーターは銃をおさめ、兄に近づく。慈しむように抱擁した。

モヒンダー。浮かんだアイデアを元に実験分析中。彼はマヤに説明した。「チロシンを抽出し、あなたのアドレナリンからできたドーパミンと混合する。コルチゾールがエンザイムにくっつくかどうかを見てみよう」なんてわけわかんないが、とにかく副腎ホルモンに能力の秘密があるってことですね。私は医学に関して素人なので、ここらへんの訳は正確じゃないと思う。SFなんだからスルーしてくださいヨというつもりで書いてるんだけど、このブログを読んでるひとの中には、モヒンダーがなにをいってるのかきちんと知りたいと思う人がいるかもしれないのでいちおう原文を載せときます。こんなこといってました↓

I've separated the tyrosine and combined that with the dopamines produced by your adrenals. We wait a few seconds and see if the enzymes attach to the cortisol.

実験結果はモヒンダーの仮説を裏づけるものだった。この瞬間、モヒンダーは不思議能力の源がなんであるかを知ったのであり、これは父が到達できなかった大きな躍進である。大発見。やったぞやったぞと大喜び。「すぐにラボにいこう。遠心分離機を使って結果をきちんと確認してデュープをつくるんだ!すごいよ、マヤ!」といった。大発見に興奮する科学者というのは、素人相手に専門用語をベラベラしゃべるので、いわれたほうは「すごいのか。そりゃすごいな!」という感想しか浮かばない。

マヤが「わからないです。なにを発見したのですか?」と聞いたら、モヒンダーはびっくりすることをいった。「これを注射すれば、だれもが君と同じ能力を得られるんだヨ!」だそうである。つまりみんながピーターみたいになれちゃうってことか。これはマヤが望むことではないので彼女は怯えたが、モヒンダーは喜びに酔いしれてる。魔力にとり憑かれた錬金術師のよう。

クレアを追うサイラ。家の中で鬼ごっこ中。彼女はクローゼットに隠れてひぃひぃであり、サイラはそこに彼女が隠れてることを知ってるが、扉をブチ壊したりしない。外からしゃべりかけて相手がチビるのを知って喜んでいる。「ぼくみたいな男と家の中でふたりきりなんてこわいよね。わかるよ。でもぼくは君とファイトしたいわけじゃない。君の持ってるモノが欲しいだけ。ぼくはすべてなくしてしまったんだ」

ちょとおさらい。サイラはカンパニーに捕まって吸い取った能力をぜんぶ無効化されたが、いまの彼はテレキネシスだけは使えるようだ。シーズン2のフィナーレで(2-11 :: Powerless)、モヒンダーから奪ったアレのおかげでそうなった。というようすはシーズン2フィナーレのいちばん最後のvol.3プロローグにて明かされた。おさらい以上。

サイラは部屋の中を歩き回って、ノアの資料を見つけた。『レベル5』ていうファイルがあって、能力者たちの顔写真入りプロファイルがでてきた。おぉおお!こりゃまたラッキー。「買い物リストが手に入ったよ」と喜んだところで、後ろからクレアがバコーン。必死の攻撃をモロに受けて倒れたが、これくらいじゃ彼を倒せない。クレアはバタンと壁に押しつけられた。サイラはクレアの不死身パワーをいちばん先に手に入れたい。これがあればその後の『ショッピング』がらくになるから。ニターリと人差し指を向ける。クレアの頭蓋が切れていく。ウギャーーーー。

サイラは望み通りにクレアの不死身パワーをゲット。いままで何度も彼が犠牲者の死体をボロ切れのように捨てていくシーンがあったが、今回は別であった。サイラはクレアの頭蓋を切開し、脳ミソを露出させ、指を突っ込んで「あったあった」とかいって目的を達したが、そのあいだクレアはずっと意識があって「どうしてなにも感じないの?」「わたしの脳を食べるの?」と怯えていたが、サイラは「そんなのきもちわるいでしょ」と答え、終わったあとには、親切にも頭の皮を元のように置いてやった。しばらくするとクレアは完全治癒。頭がくっついた。

サイラは清々しい顔つきで去っていく。クレアはそれが意外で「わたしを殺さないの?」と聞いてみた。「哀れな少女だなぁ。君は自分のことがまるでわかってないんだね。君は他の能力者たちとは根本的にちがうんだ。君は特別。君を殺すなんてぼくにはできない。たとえそう望んだとしても。君は死ねないんだ。そしておそらくぼくもそうなった」

という言葉は尊敬の念が込められているようにも感じられる。少なくともこれまでのようにボロ切れのように捨てていくという接し方とはまるで違っていた。このエピソードの冒頭で出てきた、別人のような未来クレアはこれをきっかけに『特別なクレア』に変わっていくのだろうかと思わせるシーン。

モヒンダーとマヤはラボにきた。ここはカンパニーがモヒンダーに与えたラボである。ここにはたしかカンパニーの監視カメラがついてるはずなんだけど、だいじょうぶなんだろうか。興奮しちゃって忘れてるんだろうか。それはさておき、モヒンダーは自分の仮説が100%合ってることをキッチリ確認してヨッシャと喜んだ。

彼はこの発見を「科学の進歩、人間の叡智、スバラシイ〜」と思うわけだが、マヤはちがう。能力どころか呪いであり、人間が手をだす領域ではない。だから破棄するべきである。わるもんの手に渡ったらえらいことになる。と説得したが、モヒンダーが聞くわけない。「もうすでにそうなってるんだ。サイラを見ろ。サイラは父を殺した。コレがあればぼくは自分に注射し、父を救えたかもしれなかった」なんていう。マヤは悲しみのひととなり「その注射はわたしを治してくれるのか?それができないなら、そんな邪悪な研究は破棄しろ。それがわたしたちのため」と述べてふたりは決裂した。

このシーンでは、モヒンダーは「指紋がちがうようにひとによって血液成分は異なる。だから能力の発現は個々人それそれにおいて多種多様な影響をもたらすだろう」"Each individual's blood chemistry is unique, like fingerprints. These abilities could manifest in an infinite number of ways." なんてこともいっていたので、注射すればパッとみんなおなじになるってもんでもなく、結果は複雑になるみたいだ。

ネイサンが病院のベッドで目が醒めるとピーターがいた。「奇跡の復活&神の伝言を伝えた男」っていうヘッドラインの新聞を見せられた。ネイサンは礼拝堂でしゃべったことは夢だと思ってたそうだ。夢遊病者みたいに起きあがって、無意識にやったのだろうか。でも「神に命を救われた」ってことだけは確信しているようであり「ヒーローズは神の使い。我々は天使」と述べた。なんだかイッちゃってるような顔つきだが、意思の強さはあるという調子で。

ピーターは探るように質問。「能力者の存在を世界に発表する話はどうなった?もうやらないの?」と聞いたら「それをやったら我々は天使になれなくなる」とつぶやいて眠ってしまった。ピーターは兄の寝顔に「いつかぼくを許してくれるよね」と囁いた。てわけで、ネイサンの気が急に変わったのはピーターの策略によるらしいが、詳細は依然として謎。

ピーターが退出したら、暗闇からだれかが出てきた。それはリンダマン。彼はシーズン1の最後のほうでDLに射殺された(はずだった)以来の登場。あのままサヨナラかと思ったら、リターンしてきた。当時のお話をちょっとおさらいしておくと、リンダマンはネイサンを選挙で当選させるためにマイカを利用した。そのせいでDLとニキに追われ、最後はDLの復讐の弾丸が彼に命中。このときネイサンはDLたちをリンダマンへ導くために一役買った。当選したあとにリンダマンがいなくなればラッキーというネイサンの筋書きだった。ネイサンはこういう調子の策略男なので「神を見た」つっても嘘くさいもんがあるなと思ったりします。このへんをおさらいしたいひとは、シーズン1の22話(1-22 :: Landslide)あたりを見直すとよいです。おさらい以上。

リンダマンはヒーラーだったが、自分をヒーリングすることもできたってことだろうか。ネイサンは目を覚まして相手の顔を見た。「リンダマン、あなたがぼくを生き返らせたのか」。リンダマンは次のようなことをいった↓

There's a divinity that shapes our ends, Rough-hew them how we will.

むずかしいこというな!と思ったらシェイクスピアの引用だった↓

人間が荒削りはしても、最後の仕上げをするのは神なのだ。
引用させて頂きました

次の台詞はわかりやすい。彼はこういった。It seems you and I are meant for great things, Nathan. Great things, indeed.「わたしと君はくっつく運命みたいだ。偉大な目的のために。じつにまったく」ていう台詞は、昔のドロドロはまぁええわ(hug-it-out!みたいな)と聞こえるが、ドラマに出てくるわるもん権力者たちは「おまえにはまだ利用価値がある」と思ったときにこういう台詞をよくいうので、なんだかなーという気もします。

『知事』ということしかわからないが、どっかのえらいさん権力者がテレビを見ている。彼は新顔。「奇跡の復活をしてご神託を語った彼は一躍有名人に!こんどは宗教家デビューですか〜!」という調子のトップストーリィ。知事は興味深くそれを見る。そしてトレイシーという女性を呼んで「コイツに決めた」と喜んだ。「なぁにぃいいい」とお色気ランジェリーで登場したのはニキである。でもニキらしくないので、ジェシカか、あるいは別人格なのかも。トレイシーは知事の愛人みたいな雰囲気である。彼女はテレビを見て「へぇええ。なんていうひと?」と聞く。「ネイサン・ペトレリ」「すてきじゃなーい。うふん」

ちとおさらい。ニキはシーズン2の11話 (2-11 :: Powerless) で、ニューオーリンズで親戚の女の子のモニカを救うためにマイカの目前でドッカーン。限りなく爆死か。というのが最後の登場でした。

マット。砂漠で目を覚ました。はるかかなたに地平線を見て絶望。ノーーーーーーー!

ヒロ。アンドーと東京の町をブラブラ。東京と書いたが、インチキブレードランナーのセットってかんじである。父に守れといわれただいじな化学式を謎の光速ギャルに奪われてがっくし。アンドーは「過去に戻ったらどうか」といったが、ヒロは否定した。以前それをやってえらい目に遭ったからである。ヒロは考えた末、未来にいくことにした。なにが起るのかを見て、それを止めればよいと思ったのだ。これもまたヤバいんじゃないのと見てる私らは思うわけだが。アンドーが止める間もなく、ヒロはヒョイといっちゃった。社長バイバイ。

未来。ヒロはびっくりするもんを見た。ヒロとアンドーが言い争いをしている。アンドーはアンドーらしからぬシャープさであり、刀でヒロをやっつけて、電気ビリビリ火の玉攻撃で、化学式を奪った。過去からきたヒロはこの光景に大ショック。アンドーが敵なのかよ!と落ち込んだにちがいない。と思ったら、もっと驚く大惨事が!東京が大爆発。ドッカーンという咆哮。黒い雲。ヒロは元の時代にジャンプした。ふぅ。

アンドーが安心顔で走り寄ってきた。ヒロは見てきたことをいわず「化学式を見つけよう」とだけいった。アンドーは「がんばるよ」って顔でうなずいた。ヒロはどうするんでしょう。私はアンドー好きなので、彼がヒロのただの友人っていうんじゃなく、なにか重要なroleが回ってきたっていうのがうれしいです。

モヒンダー。彼はマヤにいわれて迷った。注射を捨てようとしたんだけど捨てられなくて、自分に射っちゃう。バタンと倒れた。あーあー。モンスターになっちゃうんじゃ。

眠り続けるネイサンの病室にふたりの人影。アンジェラとピーターである。やっぱりこのふたりが結託してたんだなと思ったら、事態はもっとややこしいのだという点がアンジェラの第一声でわかる。彼女はピーターにこういったのだ。「ピーターになにをしたんだ?」。うぅうう。わかんねー。シーズンプレミアでコレですから、きちんと見続けていないとワケワカメになりそうです。ピーターとアンジェラはこんな会話してました↓

Angela: What have you done with Peter? Who do you think you inherited your first ability from? Your dreams... I dreamed you'd come. I saw what you'd do. Shooting your own brother, for god's sake.
Peter: I had to. It was Nathan who set everything in motion. The powers, the greed, The war.
Angela: Who are you to play god?
Peter: You can see the future? Then you know that that formula that you and your friends tried to bury... It gets out, and it destroys everything.
Angela: The only future I've ever seen is the one caused by you.
Peter: Nathan didn't die. And now he doesn't have to.
Angela: It doesn't Matter. Because by shooting him, you screwed up everything. Something different happens now. And it's all because of you. So why don't you go back to where you came from? You understand? Now... What did you do with my son?
Peter: Don't worry. I put him some place safe.

アンジェラ: ピーターになにをした?あなた自身がいちばん最初に能力を継承したひとになんてことをしたんだ。わたしはあなたが来るのを夢見ていた。それがナンだ!自分の兄弟を撃つとは!
ピーター: やらなくちゃいけなかった。ネイサンはすべてを画策した中心人物ではないか。権力に溺れ、戦争を起こした。
アンジェラ: いつから神になった?
ピーター: あなたにも未来が見えるのだろう?だったらわかるはずだ。あなたとあなたの仲間が隠したあの科学式が破滅の元だと。
アンジェラ: わたしが見ている未来はあなたによって引き起こされた未来だ。
ピーター: ネイサンは死ななかったじゃないか。そして彼はいまも死ななくていい。
アンジェラ: それは重要でない。あなたが彼を射ったせいでなにもかもオジャンだ。変わってしまった。ぜんぶあなたのせいだ。自分の時代にお帰りなさい。わたしの息子にいったいなにをしたのか答えなさい。
ピーター: 心配しなくてよい。彼は安全だ。

このドラマのいつもの終わり方。モヒンデルのナレーションにカブせて、ヒーローズのみなさんの叙情的な映像が流れる。その中で、カンパニーの収容所が映る。独房がズラーとあって、囚人がいる。ピーターとは別人の男が「おれはピーター・ペトレリだ!助けろおおおおおお!」とわめいている。この収容所にはノアもいる。また砂漠でうろつくマットは岩に絵を発見する。地球が割れる絵。別の場所では、怪力パワーを身につけたモヒンダーがいる。彼の後ろの建物の壁には、マットが見たのと同じ絵がある。

モヒンダーのナレーションで終わるというのはこのドラマのパターンで、このブログでは私のヘタクソ訳を載せてるのですが、今回はえらく難解だなーこりゃかなわん!と思ったら、イエイツの詩だったのでした↓

"The Second Coming"
by William Butler Yeats

Turning and turning in the widening gyre
The falcon cannot hear the falconer
Things fall apart the centre cannot hold
Mere anarchy is loosed upon the world,
The blood-dimmed tide is loosed, and everywhere
The ceremony of innocence is drowned
The best lack all conviction, while the worst
Are full of passionate intensity.
Surely some revelation is at hand
Surely the Second Coming is at hand.
The Second Coming! Hardly are those words out
When a vast image out of Spiritus Mundi
Troubles my sight: somewhere in sands of the desert
A shape with lion body and the head of a man,
A gaze blank and pitiless as the sun,
Is moving its slow thighs, while all about it
Reel shadows of the indignant desert birds.
The darkness drops again but now I know
That twenty centuries of stony sleep
Were vexed to nightmare by a rocking cradle,
And what rough beast, its hour come round at last,
Slouches towards Bethlehem to be born?

検索してみたけど翻訳文は見つかりませんでした。邦題『再臨』というらしいんで、翻訳が出版されているんじゃないかと思うんですが。邦題はここで知りました↓

こういった文学作品の訳はその文学的な背景を知る専門家が訳さないといけないと思うんで、自分で訳すことはしないと決めてるのですが、も、もしかして、いままでバカ訳をつけたヤツの中にもそういうのがあったんじゃないか!ぜったいある!ヤバー!と心配になってきました。困ったなぁ。いちいちチェックする時間もないしなー。このブログではあちこちで我流の訳を載せてますが、間違いもあるだろうし、その程度のもんだと思って読んどいてください。

シーズン3プレミアは2時間連続です。次いってみよう!

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  • Title: 3-01 :: (Volume Three: Villains) The Second Coming
  • First Aired: 2008-09-22

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Thanks to: imdb.com, tv.com

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