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ターミネーター: サラ・コナー・クロニクルズ/Terminator: The Sarah Connor Chronicles :: 2-06 :: The Tower is Tall But the Fall is Short :: ネタバレ

transターミネーター: サラ・コナー・クロニクルズ/Terminator: The Sarah Connor Chronicles。シーズン2の第6話。ネタバレ!
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SPOILER!!!
ネタバレです!!!

コナー・チームはヴォイド・シェアマンていうセラピストを身辺調査中。なんでいきなりこのセラピストが出てくるかっちゅうと『2-02 :: Automatic for the People』で出てきた壁の血痕文字、未来レジスタンスからのメッセージにその名前が含まれていたからである。でも「名前があった」というだけで、彼がどのようにスカイネットに関連しているかは謎。彼を守ればいいのか、あるいは敵なのか。

ところで今日のエピの冒頭シーンで、サラの声のナレーションで、サラの父親に関する情報が明かされた。「父はいつも銃を枕の下に隠していた。彼を癒すピルは存在しなかった。(中略)わたしは父と同じ道を歩むとは思ってもみなかった」なんていってました。原文↓

My father slept with a gun under his pillow. There was no pill for his sickness, no medicine to ease his mind. He left blood, and sweat, and part of his soul in a foreign land. My father never talked to me about the war he fought. He never talked to anyone. Ever vigilant, ever silent. I never thought I'd follow in his footsteps.

サラとキャメロンが深夜にセラピストの部屋の中を漁ったが、怪しいもんは見当たらず。シェアマン氏がナニモノかを探るために、家族で彼のセラピーを受けてみることにした。サラ、ジョン、キャメロンの3人がセラピストを訪問する。

シェアマンは3人をにこやかに迎え、自己紹介をした。いまは民間人を診療しているが、元はミリタリーの病院のセラピストだったそうである。彼は「軍人の知り合いがいるのですか?」と尋ね、サラは「ジョンの父は軍人だった」と教えた。シェアマンは個別にひとりづつセラピーセッションを行うことを提案した。キャメロンは部屋の中に盗聴器を仕掛けた。彼女は密かにシェアマンを監視する。

サラたちは気づいていないが、ドラマを見ている私たちにだけ、シェアマン氏とスカイネットの接点が明かされる。キャサリン・ウィーヴァーと彼女の娘、サバンナちゃんが通っているセラピストがシェアマン氏なのであった。キャサリン・ウィーヴァーってのはZeiraCorpの女社長で、秘密裏にTurkを手に入れ、極秘プロジェクトチームをつくってAI研究をやっている人物。そして彼女はじつはT-1001であるという事実を知る者はいない。

キャサリンがセラピストを訪問するきっかけになったシーンはなかなかおもしろい。キャサリンが雑誌かなにかの取材を受けている。フォトグラファーが「娘さんといっしょに一枚」といったら、キャサリンはえらく冷淡な口調で「こっちにきなさい」とサバンナを呼ぶ。サバンナは極端に怯え、逃げていった。その場にいた人々は母親の冷淡口調にドンビキとなる。こえー、みたいな。サバンナが逃げたあとにはオシッコの水たまりができていた。

取材が終わったあと、キャサリンは部下の女性としゃべって『奇跡のワーカー』すなわち心理カウンセラーに行くことを勧められた。部下女性には小さな子供がいたが、離婚をきっかけに子供が傷ついたのでカウンセリングを受けたそうである。「よかったらいかが?」といわれたキャサリンはその気になった。

キャサリンの娘への接し方は、いかにも冷淡無機質ロボット的である。サバンナはそんなママを怖れており、セラピーセッションでは「昔のママに戻ってほしい」という願いを告白した。これを聞いたシェアマンは家庭に問題アリと判断し、キャサリンにアドバイスをした。

「彼女はパパを失ったけど、ママまで失ったわけではないとわからせてあげなくちゃ」と聞いたキャサリンは、キャサリンがキャサリンだった頃のビデオを見て、ママになる勉強をやってみた。おなかの大きいキャサリンと死んだ夫が楽しげにしゃべっているという内容のビデオである。この内容によれば、キャサリンの父は肉屋だったそうだ。家が貧乏だったので、ノートが買えず肉屋の紙のウラに字を書いて勉強したとか。

キャサリンの夫はヘリの墜落事故で死んだというのは過去のエピで明かされた通りである。ママがママでなくなった経緯は明確には明かされなかったが、恐らく、パパが死んだ事故を機に、キャサリンはT-1001と入れ替わっちゃったのだろうと思われ。

ところで、キャサリンは会社ビルの地下に設置した秘密ラボにてTurkのAIを調べさせていたが、その結果が思わしくない。AIを解析したらばいろんなイメージが出てくるのだけれど、研究者たちはその意味がサッパリわからないのだ。

キャサリンは新しく知り合ったセラピスト、シェアマンにその画像を見せて意見を聞いてみた。そしたら彼はひとめでその意味がわかって「おもしろいですねー」と笑った。彼はこれはジョークだと説明した。絵をつなぎ合わせるとこうなる↓

Why is a math book so sad?

キャサリンはホエーと感心した。優秀な研究者たちがサッパリわからなかったのに、彼はいっぺんそれを見ただけでヒョイとわかったのだから。以下、シェアマンの説明。

「人間の子供は3歳くらいからどんどん身の回りのことを質問し始めます。それに比べるとあなたのAIはずいぶん有能ですね。ジョークの才能があるなんて!ジョークがいえるようになるにはずいぶん長くかかるし、大人になってもいえないひともいる。もしこんな子供がわたしのセラピーにやってきたら、とても才能があると評価するところです。でも、もちろんそんなことはありえません。人間と機械は違いますから」

シェアマンはさらにこのジョークのオチを教えて「アハハ」と笑った↓

Because it has so many problems.

と聞いたキャサリンは(なるほどなー)という顔になり、いたく感心した。

ところで、一方のジョンたちもシェアマンの家に出入りしているが、この場所でキャサリン・ウィーバーという敵とニアミスしていることに気づかないでいる。ジョンが待合室で出会ったサバンナに靴ひもの結び方を教えてあげるという心温まるシーンがあったりした。

シェアマンはキャサリンに対して的確なアドバイスをして大きな信用を得たが、ジョンに対しても鋭い観察眼を披瀝した。彼はいちどジョンと話しただけで、その心の闇に気がついた。シェアマンはジョンを「まるでベトナムの退役軍人としゃべってるみたいだ」と評し「ジョンはかつて生死に関わるような経験をしたのではないか、苛烈な暴力にさらされたことがあるんじゃないか」と見抜いた。

※ジョンが暗い目つきで「この世には安全な場所なんか存在しない」とセラピストに答えるシーンを見てたら、私は複雑なきぶんになってしまった。17歳のエドワード・ファーロングがこの世に現れてこの脚本を演じたら、さぞかしキマっただろうなぁと思っちゃったのである。トーマス・デッカーに文句をいう気はないけれど、やっぱり比較しちゃうんですよね。うーん。余談以上。

サラはこの医師がコナー家のプライベートに介入することを嫌った。母親的な嫉妬心からか、あるいは彼女らしい用心深さか、どっちかわかんない。その両方だろうか。「ジョンが話し相手を求めているなら、このわたしがいるではないか」と主張した。

が、ジョンは次第にこの医師に心を許すようになり、自ら訪問して心情を告白した。それはついさいきんのジョンの誕生日の出来事である。サーキシアンに襲われ、キャメロンがドカン攻撃された日の記憶。といっても秘密をぜんぶしゃべるわけにいかないので、ジョンの告白は限定版である。誕生日に強盗が家にきて、襲われ、監禁された。とだけしゃべった。

という話を聞いたシェアマンは次のような意見を述べた。「子供はときとして親を守ろうとする。でも君はそうしなくていい。君は兵士ではない。子供なんだから、子供らしくしていればいい」といわれたジョンはなんともいえない複雑顔になり「ノー」とだけ答えた。彼はジョン・コナーであることを運命づけられた男である。他の子供たちとは違うんである。てことを自分でわかっているから。

ということをやってるあいだ、ドアの外ではターミネーター同士の苛烈な闘いが繰り広げられていることにジョンたちは気づかなかった。昨夜、女型のT-888が未来からきた。シェアマンのアシスタント受付嬢を殺害し、それに成り代わろうとやってきたんだが、見張っていたキャメロンが気づいたんで、戦闘開始。ドカドカドッカーンと大迫力の殴り合いケトばし合いをやった末、キャメロンの勝ち。敵の足をグニャリとまげてオダンゴみたいにし、だれにも気づかれることなく自宅に持ち帰った。

T-888の死骸を見たコナー家のみなさんは、コイツの目的はなんだったのだろうかと考える。シェアマンというセラピストとスカイネットの関係が未だにわからないから、彼らは困ってしまう。ジョンが「コイツのチップを調べてみよう」といったら、キャメロンはその可能性を否定した。「だめ。そのチップにアクセスしようとしたらば、自動的にパーになった」だそうである。つまりチップをリバースエンジニアリングされないようなシカケが施された新型モデル。ジョンたちはスカイネットは日々進化しているんだなと知り、ゾッとした。

こちらはキャサリン。サバンナはシェアマンのセッションを経て笑顔が出るようになった。キャサリンは「あなたはとてもよい仕事をした」とシェアマンを褒めた。医師は「わたしじゃなくてママががんばったからでしょう」と謙遜して返したが、キャサリンが褒めているのはセラピスト仕事でなく、彼がAIの謎解きをサラリとやったことに対してなのであった。

キャサリンは「うちのチームに入ってほしい」とスカウトした。シェアマンは誠実セラピストらしく「いまの患者さんたちを放りだすわけにはいきません。それにわたしは、AIどころか芝刈り機も扱えない男ですよ」と断ったが、キャサリンは続けて説得した。「顧問としてでもいいです。AIを子供に例えるあなたの考えが気に入った。AIを子供の患者だと思えばいい。きっとあなたはよい仕事をするでしょう」と述べて去った。

キャサリンは去り際、以前、医師に聞かれた質問に対する答えを話した。それは「あなたが子供時代のいちばん鮮烈な記憶はなにか?」というもので、シェアマンは母親の気持ちを探ろうしてそれを聞いたのだったが、そのとき彼女はきちんと答えなかったのだ。

「以前の先生のご質問。いまお答えしますわ。わたしが子供時代のいちばん鮮烈な記憶は、肉屋だった父が持ち帰る紙の匂いです。わたしはそれで読み書きを勉強しました」と述べた。シェアマンは(そうですかぁ)という顔でうなずいた。そして「それはどんな匂いだったですか?」と質問した。キャサリンはにっこり笑って答えた。「牛の血の匂いです」と聞いた医師は顔をしかめた。

ところで、キャサリンがこのセラピストをスカウトしたという事実は、コナー・チームにとって大きな手がかりとなったはずだが、残念ながらサラたちがこれを知ることはなかった。ジョンが誕生日の事件の話をしたとき、部屋に仕掛けた盗聴器を外したからである。彼はキャメロンにプライベート話を聞かれたくなかったのでそうしたんだと思われるが、じつにもったいない!

サラ・コナーのナレーション。

In 1678, doctors diagnosed the mental affliction soldiers suffered from as "nostalgia." So homesickness. A longing to return to the past. The cruel reality of war is that there is no return home. No return to innocence. What is lost is lost forever. Like my father, war's wounds have bled me dry. No words of comfort. No words of forgiveness. No words at all.

※このサラ・コナーらしい台詞はとてもいいなぁと思った。だけどうまく日本語にできない。むずかしいなぁ。

ラスト。

サラはシェアマンと話すことを嫌っていたが、不意に気が変わって自ら面会しにいった。医師は「なぜ急に気が変わったのですか?」と尋ねた。サラは悲しい顔でだまりこんだ。その脳裏には、あの日の記憶が蘇る。

ジョンの誕生日。サーキシアンに拘束されたサラとジョンは必死で抵抗し、敵を殺した。ジョンが相手をヘッドロック。首の骨を折って殺したと明かされた。そうだったのかぁ。

※ここで本日のエピソードは終了ですが、いくつか付け加えます。

シェアマンはジョンにしたのと同じように、キャメロンにもセラピーセッションを行った。のちにサラに対して「あなたの娘さんは社会性不安障害(social disorder)の兆候が見られる」と大まじめに伝えたんだけど、サラは(はいはいわかりました)という顔で流した。というのがウケた。キャメロンがセラピーセッションを受けているシーンをものすごく見たかったんだけど、残念ながらそのシーンはなかった。DVDが発売されたらDeleted Scenesに期待しようと思った。

エリソンはキャサリンの会社の地下にえらく厳重警備のなにかがあるゾと気づいて質問したのだが、教えてもらえなかった。「あなたはハンティングをやっててください」なんていわれて蚊帳の外である。エリソンはかなり好奇心を刺激されたようすである。

デレクはひとりでジョギングをしてたら、昔の(というか未来の)恋人にバッタリ出会ってタマげた。彼女の名前はジェシという。彼女によれば、デレクが過去にいったあと、ジョンは『改良ターミネーター(キャメロンみたいなヤツ)』を量産し、すべてのバンカーに配備しようとしたが、それが狂ってたくさんの兵士たちが死んだそうである。そして、彼女はデレクが過去にいっちゃったあと、闘う気をなくして逃げてきちゃったと告白した(AWOL = Absent Without Leave)。

デレクはそんな女をけしからん!とシカト。なんてできなくて、結局ふたりはイチャイチャしちゃうのであった。彼女はベッドの下にコナーファミリーの隠し撮りフォトを隠している。なにか意図を持って接近したと思われるが、詳細は謎。

もしかして彼女はターミネーター?とも思ったけど、これまでの例からして、ターミネーターは人間の外観を完全に真似るけれどその動作はロボじみていて、情感的な表現はとてもヘタクソである。恋人のフリをしてsexするなんて彼らはできないんじゃないか。でも、本日のエピソードの内容からして、進化型バージョンなのかもしれない。という気もする。

シェアマン役はドリアン・ヘアウッド。ジェシ役はステファニー・ジェイコブセンでした。

ところでおもしろかったquotes↓

Cameron: Did you know that 60% of all teen suicides are committed with a gun?
Sarah: I thought it was cleared. It was an accident.
Cameron: Some first attempts may appear to be an accident.

次回は11月3日オンエア予定。

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