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ターミネーター: サラ・コナー・クロニクルズ/Terminator: The Sarah Connor Chronicles :: プロデューサーのジョシュ・フリードマンがシーズン2を語る

transプロデューサーのジョシュ・フリードマンのインタビュー記事。カイル・リースが未来からくるのか?レギュラー入りしたブライアン・オースティン・グリーンについて等を語ってます。
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『ターミネーター: サラ・コナー・クロニクルズ』は、脚本家ストの打撃を致命的に受けつつ生き残ったドラマのひとつです。ストがなければフルシーズン22話がオンエアされる予定で、それもFOXのマンデーナイトで『24』と並ぶはずだった。ところが『24』は1年延期となり、エピソード数も半分にカット。お話はツギハギになっちゃって「こりゃシーズン続行は難しそうだ」とだれもが思ったでしょうが、FOXは続行を決定。やったじゃないか。

ていう状況において、プロデューサー先生に「いっちょう見どころを熱く語ってくださいヨ」という主旨のインタビュー。私はこの長い記事(4ページもある!)をかなり大雑把にサマリしちゃったので、これだとなかなか伝わらないと思いますが、しみじみと人柄が出ててよい記事でした。テレビドラマのプロデューサーっていうより、SF好きのオッサンがグダグダしゃべってるみたい。元記事↓

以下はかなりハショリ気味の要約です。それでもかなり長いですが↓

IGN TV: 番組が戻ってからまずしたことは?

ライター全員で集まって、長い長いブレーンストーミングを行った。フットボールの試合のビデオを繰り返し見て反省会をするようなもんだ。もっともぼくたちはストのあいだもよく会ってたけど。でも仕事はしてないヨ。信じてくれるかわかんないけど。

IGN TV: ストの最中にライターが集まってなにするんです?

ピケラインをいっしょに散歩するの。みんなと会っても仕事はしちゃいけないから番組の視聴者になったつもりでわーわーいってただけ。

IGN TV: ネットのBBSとかチェックするんですか?

たまにする。オンエア後に掲示板なんかを見て回って、みんなに意図が伝わったかどうかを確認する。

IGN TV: 同時進行する複数のお話をまとめあげていくことに重点を置くと以前にいってましたけど、それが意図した通りにいかなかったのでは?

Aという話とBという話があって、初めてCという話にいける。ドラマはこれの連続なんだけど、途中でカットしちゃったら物語全体がだめになっちゃう。シーズン2においてはもう少し物語性を単純化して、ハイスクール関連のイベントを少なめにし、そしてサラのお話を多めにしていきたい。こっちのほうが主題だから。

IGN TV: てことはCheriはどうなる?

※Cheriていうのはジョンの学校にいたミステリアスなかんじの女の子です。今後なにか発展しそうな余韻を残しつつ秘密のまま終わっていた。

彼女はちょびっと出る。

IGN TV: あなたはカイル・リースを現在に引き戻すプロットを考えたそうですね。でもそれはJames Middleton (series consulting producer) に「映画のファンを怒らせるだけだからやめとけ」と説得されたと聞いたけどほんと?

※カイルは映画『ターミネーター』で死亡している。

ソレの詳細なプロットがあるわけではないが、ぼくは映画のファンを怒らせることなく、カイルを未来からこっちに連れてきちゃうっていうのはアリだとずっと思っていた。頭ん中でいろいろ考えてボク的にはオッケーなんだけど、いっしょうけんめい説明すればするほどキチガイ扱いされちゃう。

IGN TV: なにがしかの方法でカイルがサラを守るためにやってくるていうのは可能性としてはある?

あるかも。

IGN TV: そのセオリは映画の内容にあってるんですよね?

あってる。

IGN TV: 未来が変わってJudgement Dayが変わった。てことはカイルの過去も変わってるみたいな?

そう。ややこしく聞こえるかもしれないけど、過去に死んだカイルが別の未来では生きてるっていうのはボク的にはアリなんだけど、ジェームズにいわせると「ウサギの穴に逃げこむなー」となる。なかなかむずかしい。

IGN TV: てことはやっぱりそれは実現されない?

コーヒーポイントまできてない(『コーヒーを飲みつつ雑談するレベルにも達してない』つまり『実現する可能性はすごく少ない』という意味と思われ)。

IGN TV: デレク・リースについて話しましょう。ブライアン・オースティン・グリーンが起用されたことについて本人は「まさかだれもボクをアクションに使わないだろ」みたいな発言したらしいですが、これは真実でないように思えます。実際、彼のどこが気に入ったんですか?

キャスティングって、50人の候補者がズラーと出てきて「次はブライアン・オースティン・グリーンです」っていわれるの。「へー」とか「彼がそうなんだー」とかいってたら、キャスティング担当のひとが「彼はヤッてくれます!まちがいない!」とかいうんで「んじゃそれで」って答えた。

IGN TV: それがいつ確信に変わったんですか?

最初のうち、クルーのみんなは懐疑的だった。「ジョシュはナニ考えてんだ?」ってかんじだったけど、初テイクでみんなは納得した。

IGN TV: 彼はみんなを魅了したのですね?

ぼくはブライアンを好きになった。俳優は新しい役をもらうたびに "reinvent" するものなんだから、ぼくがわざわざいう必要はないと思った。彼がデビッド・シルバー(ビバヒルの役名)に戻ることは永遠にない。彼は成長してるから。ぼくは彼の仕事に大満足で、"selfishly" なくらいに喜ばしい。

IGN TV: 彼のレギュラー昇格を決めたのはいつ?

成り行きでそうなったから正確な時期はわからない。俳優によい役割を与えて演じてさせることもだいじだけど、レギュラーの俳優にはそれ以上が求められる。つまり、ある俳優を使って台本5本分のアイデアがあったとする。それはいいけど、以降そのキャラをどう使えばいいんだ?ていう悩みが常に出る。ブライアンの場合、彼とぼくらの関係はとても円滑だったから障害はなかった。スタジオサイドも異存なかったし。

IGN TV: ギャレット・ディラハントやディーン・ウィンターズあたりは他のドラマも欲しがってるんじゃないですか?

悪夢だ。このふたりはものすごく忙しいひとたちだから。ディーンは30 Rockといったりきたり。ギャレットは昨年はなんとかよかったけど、今年は忙しくなるみたいでたいへんだ。

IGN TV: ジョナサン・ジャクソン演じる未来のカイル・リースはいまんとこ "Tuck Everlasting" ですが、彼が出てくるエピはいくつくらいありますか?

※"Tuck Everlasting" はジョナサン・ジャクソンが出た映画。『未来をうろつくタック』とシャレになってると思われ。

いくつあるかなんてわかんない。未来シーンのために彼をキャスティングしたのはストの直前で、時間がギリギリでたいへんだった。でもうまくいってよかった。キャスティングっていうのはなくしたクルマのキーを探すみたいなもん。ない!ない!あったー!みたいな。

IGN TV: シルバーマン博士にアール・ボーエンを使わなかったのは、サラとジョンが別人なのに博士が同じだったらへんだから?

アール・ボーエンは出ない。だいたいぼくは映画のカメオとかトリビアを盛り込むことには消極的である。そういうんじゃなく "mythology-wise" なお話づくりに傾注したい。なぜならぼくたちも映画のファンだから。ライターの中には「アール・ボーエン使わなきゃ!」っていう声もあった。でもぼくはそういうのヤだったから却下した。

IGN TV: なぜブルース・デイヴィソンを?

傲慢さと感情的なぶぶんが織り交ぜになった演技をするときのブルース・デイヴィソンはピカイチだ。時間ギリギリでやってきたブルースは、エリソンと絡む山小屋のシーンの脚本をパッと見て、ササッと演技し、ぼくたちを驚嘆させた。テレビドラマでこんな俳優はたいへんありがたい。

IGN TV: 映画『ターミネーター』のイメージからずいぶん違ってると質問攻めにあってると聞きましたが?

わかんないヨ。ぼくがふだんどんなものを見たり読んだりしてるのかと聞きたいんなら、その答えは『バトルスターギャラクティカ』(以下BSG)です。BSGの大ファン。映画『ターミネーター』はBSGに少なからず影響を与えたと思う。そしていまぼくたちがつくっている『サラ・コナー・クロニクルズ』はBSGの影響を受けている。ライターのToni Graphia、作曲家のBear McCrearyはBSG出身だ。『ターミネーター』の世界観は映画のパート1と2ですべて説明されている。ぼくたちに必要な材料はぜんぶそこにある。ぼくたちがやるべきは、それを超えるものでなくそこから発展させることだ。どんなイベントが起ころうが、映画の世界観が通底しているというような。異存があるファンのみなさんもまぁ見ててください。高速道路に乗ればぼくのいってる意味がわかるだろう。

IGN TV: シーズン1のフィナーレのエピ『What He Beheld』のラストシーンについてしゃべってください。

クロマーティとSWATの戦闘をまったく見せず、プールの映像だけで完結するというアイデアはぼくがだした。ライターたちは全員大笑いした。ぼくが冗談をいってると思ったみたいだ。でもぼくが粘り強く話したら、ライターのIan Goldbergはメモをとりだした。ターミネーターの最後について議論してたら、ライターの Ian B. Goldberg が「フィナーレのタイトルは "The Man Comes Around" にしよう」といった。ぼくはジョニー・キャッシュの大ファンだからその曲を使うことにした。とてもよい映像と音楽のアンサンブルができた。権利のことがあってタイトルを "What He Beheld." に変えたんだけど。

フィナーレのラストで流れた曲、"The Man Comes Around" はamazonで視聴できます↓

※この回答はじっさいにはすごく長くて、"Rescue Me (FXのドラマ)" を引き合いに出して「彼らは火を使って上手に演出してる」と褒め「そのお陰で視聴者はどんなときでもそれが消防士の話なんだとわかる」と説明し「ぼくらもそんなかんじでターミネーターらしさを求めた」と長々述べ、また、自分がどれだけジョニー・キャッシュのファンかなどをしゃべってます。自分の好きな話題になると脱線気味でベラベラしゃべるオッサンみたいです。Rescue Meをそこまで宣伝しなくてもいいと思うんですが。

IGN TV: ジョス・ウェドンの話題の新作『Dollhouse』がFOXでまもなく始まりますが、サマー・グローがとられちゃうかもという心配はないですか?

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わっはっは。ぼくとジョス・ウェドンとサマー・グローがいっしょにコミックコンに呼ばれたりしたらいやだなー。てのは冗談ですが、彼はとてもサポーティブです。サマー・グローはうちのオーディションに来る前にジョス・ウェドンに助言を求めたと聞いた。彼は後押ししてくれたそうだ。

IGN TV: ジョス・ウェドンだけじゃないですヨ!FOXは続々新作SFドラマを制作予定です。J・J・エイブラムスの『Fringe』、ロナルド・D・ムーアの『Virtuallity』、ショーン・ライアンの『The Oak』。これぜんぶ『サラ・コナー・クロニクルズ』の視聴者層とカブってる。たいへんじゃ?

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すごいよな。ファンのみんなは楽しめるなー。ストロングなビジョンを持ったクリエイターたちが集結したラインナップは超豪華。ぼくがいえることは、せいぜい "Entertainment Weekly" のカバーにぼくも載せてもらえたらいいなーってことだ。たぶん写真入りはむりだよね。

IGN TV: ほんとになんもしゃべってくれませんね!なんかバラしてくれるネタはないんですか?

そういわれても困るヨ。去年も同じことで悩んだ。キャスティングするとき、オーディションにきた俳優たちにほとんど情報を与えないもんだからみんながぼくに聞くんだ。「わたしは人間なんですか?この場合どうリアクションすればいいの?」っていう。彼らも困っただろうが、ぼくも困った。うまくいってよかったわ。だいたいぼくはジラすほうが好きなんだ。FOXはもっと秘密主義になってくれたらいいのにな。ネットワークの仕事は人々をテレビが見たい気にさせること。ぼくらの仕事は視聴者のみなさんを喜ばせること。この両者はしばしば衝突するよね。

最後にひとつだけ教えよう。ジョンに注目して下さい。少年だったジョンが男に成長するドラマがあります。

てわけでインタビューはおしまい。元記事はこちら↓

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