TOP » SF » ユリイカ/Eureka

ユリイカ/Eureka :: 2-05 :: Duck, Duck Goose :: ネタバレ

transユリイカ/Eureka。シーズン2の5話。ネタバレ。
view: 5592
SPOILER!!!
ネタバレです!!!

サイエンス・フェアはユリイカの子供たちにとって一大イベントである。科学好きな子供たちが自由研究テーマを発表するわけだが、ここはエリート科学者の町だから子供たちも大人と同じく天才ぞろい。フェアで1等賞に選ばれるとグローバル・ダイナミクスにおいて1年間のインターンシップがもらえるのだ。これはエリート科学者への第一歩であり、過去においては子供たちが発表したモデルがNASAに採用されたこともある。

フェアと同時にIQテストもあって、ゾィはシェリフの娘だからまぁ並の子供である。彼女は回りの雰囲気におされ気味だが、ジャックは娘を勇気づけた。「ベストを尽くせばよい。パパはこれでもIQ111だぞ。ワッハッハ」とカマした。111の娘ていうのがまたたく間に噂になったのでゾィはますます緊張した。

サイエンスフェアはときとして危険な場所となる。天才ちびっこがナニをつくるかわかんないからだ。超ヤバいもんを発表し、それゆえに地球が滅びる危険もある。ジョー・ルポは市民の安全を守るために、ひとりでSWAT隊員の身なりでそこらへんを見回っている。防弾チョッキにヘルメットまでかぶって暑苦しい格好はかなり浮いているが、本人はサバゲー大好きなのでやるきまんまんである。だが、ネイサンによれば、いまは厳格な禁止事項が適用されたのでそんな心配はないという。クローニング/危険な伝染性ウィルス/時空連続体(ナニソレ?)/グローバル・ダイナミクスの技術を使ったものは禁止されているから大丈夫なんだそうだ。だが、ジョーにいわせれば「頭の良い子供ほどズルをするものだ」という意見もある。

サイエンスフェアで盛り上がっているユリイカだが、原因不明の隕石落下事件が頻発する。ジャックの車にもドカンと落ちてエンジンに穴が空いた。ジャックは落ちた隕石をグローバルダイナミクスの天文学者に見せて質問した。フィン博士は「これは隕石じゃなくて中国の気象衛星が落としたゴミだろう」といった。宇宙にはたくさんゴミが浮いていて、それがたまに落ちてくるんだそうだ。そしたら次には、opti-canと呼ばれるNASAが開発した無重力空間で使えるトイレが落ちてきた。いくらなんでも偶然が重なりすぎではないかと文句をいったら、驚くべきことがわかった。

地球の近くの宇宙で、ゴミやら隕石やらがどんどん集結してそれがまとめて落ちてくるんだという。その軌道を計算したら、そのすべてがユリイカを中心とする500マイル四方に落ちてくるとという計算結果が出た。これじゃ町は壊滅状態になってしまうし、だいたいユリイカのある場所にだけ降ってくるなんてものすごく不自然だが原因がわからない。

その頃、タガートは精巧なロボット渡り鳥の研究をしていて、彼は生物学者なんだけど、自分がつくったロボット鳥をまるで自分の子供のように愛しているんだが、内臓されたコンパスが狂って渡り鳥のはずなのに変な方角に飛んでいってしまうという現象に悩んでいた。ジャックは最初それが本物の鳥だと思っていて、タガートがいきなり鳥のおなかの中に手を突っ込むのでびっくりしたんだけど「そもそもこれはなんに使うのだ?」と聞いたら、ミリタリー目的だと教わった。敵の上空に渡り鳥を飛ばして、じつはソレが爆弾だったりするという奇襲攻撃用の武器なのだ。

「空を制する者は勝者である」という古典的な戦争の理論を聞かされたジャックは「だれかがユリイカを攻撃するために隕石を落としてんのか?」という仮説を持ち、ヘンリーに相談する。ヘンリーはレーガン政権下のスターウォーズ計画の顛末を語り、結論としてそれはありえんという。この中で彼が「エリア51の資料も全部消されたからね」と述べ、ジャックがうれしそうに「エリア51はやっぱほんとなんだ!」と聞くと「あ、それはうそ」と答えたりする。スターウォーズ計画は20年前に頓挫したが、資料のスライドを見ていたら、当時のサイエンスフェアの一等賞の中にフィン博士がいたのでびっくりした。彼は16才で大注目を浴び、政府から招かれるサイエンティストになったのだ。

ジャックはもういちどフィン博士に会って、いろいろ話して、もしかしてサイエンスフェアに出品されているなにかがものすごい磁力を発して隕石を引きつけているんじゃないかと考えた。ジャックは博士といっしょにフェアの会場に来た。子供たちのプレゼンテーションが進行中。ネイサンと校長が審査をしている。男の子がサイバネティックなんとかっていう発明品を説明するんだけど、ネイサンは「Bear Bryant(昔のフットボールのコーチ)がなんていったか知ってるかね?『ポテンシャルがあるとはつまりまだあなたはそれを得てないということである』という有名な言葉を君にあげよう。君はほんとに科学者になりたいの?ヘッ」なんて調子で、子供相手に憎たらしいことをいう。それを聞いたフィン博士は「まったくヤだね」といい、ジャックは「アイツはいつもあんな調子でおれにもしゃべるんだ」と不満を述べた。

メイガン・ハリントン(Megan Harrington)という女の子の番になった。メイガンはゾィのクラスメートだがものすごく仲が悪い。ゾィが物理のテストで94点を取って以来、目の敵にしていぢめてくるのだ。いぢめっこである。メイガンは典型的なパワーエリート人種であり、ゾィのことをしばしば "norm" と呼ぶ。"norm" とは『平民』とでも訳せばよいのか。そこには嘲笑が込められている。メイガンの母はグローバル・ダイナミクスで働く素粒子物理学者であり、ゾィの父はIQ111のシェリフだからそうなっちゃうのだ。メイガンはとにかくいちいち憎たらしィガキである。子供にして既にbitchである。子供ビッチ。

メイガン・ハリントンは自信まんまんでプレゼンを始めた。彼女の発明品は "Solar powered ultra high resolution gamma pulse tomography" ちゅうもので、それは簡単にいうと、X線写真やMRIに代わるものだという。彼女はそれをS.G.T.と呼び、この技術を使えば医療分野は画期的に飛躍するのであり、ガンは治療可能になるという。スゲー。「それでは見ていただきましょう」と子分に命じて自分の発明品のスイッチを入れさせた。そしたらとんでもないハプニングとなり、そこらじゅうの金属が宙に舞い上がってあたりは騒然となってしまった。一時的に強力な磁場ができたようである。

てわけで彼女のプレゼンは大失敗となったのだが、じつは誤動作の原因はゾィのいたずらであった。彼女は自分の発表を(こちらはハエの研究というかわいいものだったが)メイガンにいぢわるされて邪魔されたので、お返しをしてやったんだという。メイガンがランチに行ってる間にレバーをゴニョゴニョしてしてやったのだ。ゾィを叱るのは後回しで、いまは隕石落下事件が優先である。

ジャックがメイガンの発明品を見て「これのもっと大きいヤツがグローバル・ダイナミクスの屋上にあるよね」と述べた。それは最近開発されたセキュリティ関係の考案物で、ジャックが指摘した通り、メイガンと同じソーラーパワーのアイデアを使っていた。これを開発したのはジェーン・ハリントン。メイガンの母親だった。お母さんの研究をマネしちゃったのか!グローバルダイナミクスの技術を使った発表は禁じられているので、ネイサンが「ルール違反だな。失格である」といったら、メイガンは「ぜんぶわたしが考えた!盗んでいない!」と大きな声を出した。真相は意外であった。なんと母親が娘のアイデアを盗んだのだ。母ジェーンは「一流の科学者になりたい」という娘の強い希望を知っていたが、自分が関わるプロジェクトで結果を出せずにいた。このままいくとクビになる。ユリイカに住めなくなる。娘は悲しむ。それはいや。ということで、やむなく娘の研究発表の理論をパクっちゃったというわけなのだった。いやー、天才の子供を持つとこんな苦労があるのかとびっくりしました。

ここまできて、やっと隕石集中落下の原因が判明した。母親がつくったナントカビームがグローバルダイナミクスを覆うマグナティックナントカシールドに照射され、そのせいで巨大な磁石ができちゃったのである。そのせいで隕石が引き寄せられてしまった。ここまでわかったところでドンドン隕石が降り始めた。連続ミサイル攻撃を受けているようなありさまで、こりゃかなりヤバい。ヘンリーによれば、突入角度を変えれば地上に達するまでに燃え尽きるだろうというが、それほどの強力な磁場をつくれない!ジャックは「ソレあるよ!」といった。スポーツジムの地下に巨大な磁石があるって教わったのを彼は覚えていたのだ。それを使って、SARAHに軌道計算をしてもらって、やっとこさ、マグネティックビームをつくることができた。これを宇宙の隕石群にズバーとあてたら、侵入角度が変わり、すべては燃え尽きるようになった。解決。連続ミサイル攻撃を浴びているような風景は一転してきれいな流れ星の夜空に変わった。

SARAHはジャックの家のAIだが、今日は自動車にダウンロードされていたから近くにいたのだ。なんでSARAHが自動車になってたかというと、隕石が落ちてジャックの車が壊れたから今日だけそうなってたわけで、そのシーンではSARAHがむちゃくちゃな運転をするので、ジャックが「逮捕するゾ」とかいったりしておもしろかった。SARAHは軌道計算をしてるとき「メモリ不足です!」なんて苦しそうだったので、よっぽど疲れちゃったみたいで仕事が終わったらバタンと電源が落ちた。

ピンチを乗り越えるためにみんなで知恵を出し合っていたとき、メイガンとゾィがまたまた口論となったのだが、それを横で見ていたフィン博士の台詞がたいへんヨカッター。

Enough! Look, this is not about who knows more or who's the smartest. Forget the competition. Forget the pressure. It is crap. You have created something amazing and now you have a chance to make a difference. Don't let anything get in the way of that or believe me. you'll regret it.

隕石の危機は去り、サイエンスフェアの入賞者が発表される。ネイサンがプレゼンター。1位はメイガンだった。彼女には1年間のインターンシップが与えられた。グローバルダイナミクスの中には様々な分野の研究施設があるが、彼女は迷わずフィン博士のラボで働くことを選んだ。ネイサンは続けて「二位はゾィ・カーター!」と発表した。こちらはご褒美に新車がもらえるという。ゾィはウヒャーと喜んだ。

このエピソードのラストはとても感動的でスイートです。

冒頭でジャックのIQが111と明かされたがその続き。ゾィのIQテストの結果が帰ってきた。ジャックがゾィに封筒を渡して「おまえが開けろ」といった。ゾィはどきどきしながら開けてみる。ジャックは隣でソワソワ気味であり、もし点数が低かったらどうやって慰めようかと心配してるみたいだ。「おまえのIQがダメダメでも愛してるからな」なんていう。ゾィは封筒を開けておそるおそる自分のIQを見る。それはなんとジャックのIQを遥かに上回る157だった!ゾィの顔がパッと明るくなり「ヤッター!112だよ!」と彼女はうそをついた。ジャックは大喜びで「おまえはパパより頭がいいんだナー」と大笑い。じわーん。このオチはイイネー。

にほんブログ村 テレビブログ 海外ドラマへ

TOP » SF » ユリイカ/Eureka