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ユリイカ/Eureka :: 2-07 :: Family Reunion :: ネタバレ

transユリイカ/Eureka。シーズン2の7話。ネタバレ。
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SPOILER!!!
ネタバレです!!!

カラッポのはずの冷凍睡眠チャンバー(Cryostasis)から50年前の人間が生還した。人間を冷凍仮死状態にした後に生き返らせるというのはSFにおいては古典のギミックだが、実際にはありえる技術ではない。ユリイカにおいてもそれは未知の出来事だった。この歴史的なハプニングに科学者たちは大興奮であり、50年前の過去からやってきた客人を手厚く出迎えたが、もっと驚くことがあった。この男性はファーゴのおじいちゃんだった。50年前と同じ若さなのでみため20歳くらいに見えるが、正真正銘のファーゴのおじいちゃんなのだ。ピア・ファーゴという。

ファーゴは驚いたが、おじいちゃんも驚いた。彼は50年の冷凍睡眠を経てこの世に蘇ったが、ピンピンしており自分の名前もきちんといえた。彼が冷凍チャンバーに入っているという記録は残されていなかったので誰も知らなかったわけだが、本人も望んでそうなったわけではないらしくて「50年後だよ」と聞かされてがびーんとショックを受けた。彼がなぜそんなことになっちゃったのかはおいおい明かされていきます。

ファーゴはおじいちゃんに会えたのがうれしくて、50年間のあいだに起こった出来事を説明して聞かせた。ここでファーゴのお父さんはファーゴが小さい頃になくなったのだと明かされた。死因は「スイッチを押したから」というのがギャハハである。予測可能なギャグだったが、やっぱりウケちゃいました。

21世紀の最先端の科学を見せてもらって目を輝かせるピアであったが、孫の口から「ぜんぶアンドレ・サンドロフがつくったんだ。スゴいよね」と聞いて顔色がガラリと変わった。サンドロフは数々の偉大な業績を残したノーベル受賞者であり、ユリイカでその名を知らぬ者はいないヒーローである。科学の父であり、グローバル・ダイナミクスの貢献者でもあるので、壁に大きく名前がプリントされている。

という話を聞いたピアは怒りと悲しみのひとになった。彼によれば、サンドロフの業績はぜんぶ自分のオリジナルなのだという。サンドロフは元々ピアのラボで働いていたが、どうやったか知らないが、彼がズルをして、ピアの研究を盗んで自分を冷凍チェンバーに入れちゃったのだろうという。これが本当だとすれば大スキャンダルだ。偉大なヒーローが実は泥棒だったなんて!そして、人生のすべてを奪われたピアはかわいそうすぎである。

ピアは自分の研究を奪われたことにも腹を立てたが、研究と同じくらいに大事に思っていた恋人ベルのことを想って悲しくなった。彼は50年前のその日、婚約リングを注文したところだったのであり、プロポーズしようと思ってたその日に冷凍保存されちゃったのだ。「ベルはどうしてるんだ!」と聞いたら「まだ生きている」とファーゴが教えてくれて、おばあちゃんになったベルの写真を見せてくれた。「年を取ってもきれいだなぁ」とピアは涙ぐんだ。

ピアとベルが結婚できなかったのならばファーゴのおじいちゃんというのは間違いではないかという疑問が出るわけだが、これについては答えが出された。彼が冷凍保存される前にベルは妊娠していたのだ。冷凍保存はされちゃったが、その遺伝子は受け継がれていた。そうじゃないとファーゴは産まれてなかったことになるから感謝しなくちゃな。婚前sexにカンパイ。

サンドロフ泥棒説を聞いたジャックは正義のひととなり、本人に直接アタック。ものすごい豪邸を訪ね「あなたはピア・ファーゴの研究を盗んだのですか?」と聞いてみた。サンドロフは全面的に否定した。50年前のその日、サンドロフはピアの直筆サイン入りの辞表を見つけた。その日を境にピアはいなくなった。まったくの行方知れずで蒸発である。ゆえにサンドロフは正当に研究を引き継いだということで法律違反ではないという。ウソをついてるのかどうかジャックにはわからない。

ピアが生還して数日後、異変が起こった。急激な細胞の老化が始まり、彼はまたたくまにおじいちゃんになった。みため70歳くらい。肉体が老化したら気力が萎えちゃったようであり、ますます痛ましい姿になり、孫のファーゴはおじいちゃんの名誉を取り戻したいと強く思った。ネイサンにきてもらって、発明者しか答えがわからないはずの質問をしてもらった。ピアはそのすべてに正しい回答をした。やっぱり彼が正しかったんだ!と誰もが思ったとき、ジャックがある事実に気がついた。ピアが持っていた婚約リングの受取証のサインと辞表のサインがまるきり同じなのだ。これはすなわち、だれかが受取証のサインをトレースして辞表を偽造したものと思われる。

犯人はピアの親友であり、宝石屋の主人の男だった。男は秘かにベルのことが好きだった。ピアがベルにプロポーズすると知った彼はどうしてもそれを邪魔したくなり、辞表を偽造して、彼を冷凍チェンバーに入れちゃったというオチで、動機は単純で身勝手なものだった。という次第を聞いたピアは親友に裏切られたと知ってショックを受けたが、彼は年を取って枯れちゃったようであり、相手を許すといいだした。「50年間それを秘密にしてきたあなたはすでに罰を受けただろう」という言葉はなんともいえず感動的である。後悔のひととなった宝石店主に向かっていうジャックの台詞「過去は常にあなたを追ってくるものなのだよ」というのもじわーんであった。

ラスト。ベルと再会したピアは50年遅れのプロポーズをした。ベルはピアがいなくなった後、だれとも結婚せずにずっとひとりだった。彼女はずっとこの瞬間を待っていたから泣いて喜んだ。うぅううう。

ところでこのエピではもうひとつ別のサブストーリィがあった。ジャックがだれにもナイショでアンジェラ・フェアフィールドていう女性に花を贈ったことをゾィが嗅ぎつけた。ゾィはそんな名前の女性を聞いたことがなかったから、好奇心からこっそり調べ始めた。SARAHに検索してもらったら、アンジェラという女性はジャックのハイスクール時代のガールフレンドで、1987年に亡くなったと知った。「パパはだれに花を贈ったんだろう?」とものすごく興味津々となったゾィはパパに直接尋ねてみた。

ジャックは悔やみきれない自分の過去を語った。当時高校生だった彼は恋人の誕生日に「車の運転を教えて!」とせがまれて、彼女を運転席に座らせた。このいたずらが大きな事故につながり、彼女は死んだという。ジャックはそれ以来毎年彼女の父に花を贈っているのだと話した。ジャックはいつもなんだかんだと理由をつけてゾィが免許を取ることを拒んでいるのだが、その理由がやっとわかってそうだったのかと納得した。ジャックが罪を認めた宝石店主にいったあのひとこと "The past always catches up with you."「過去は常にあなたを追ってくるのだよ」はそういう意味だったかと私たちも納得した。

※感想

感動的な短編小説のようなお話でした。そういえば以前にも泣けるお年寄りネタがあったなと思って探してみた。あったあった。これもよかったよなぁ↓

1-06 :: Dr. Nobel

ジャックはいつもみんなに優しいからえらいなと私は常々尊敬していて、彼は忙しいときも家族と会話をしようとするし、相手がどんなに身勝手な犯人でも優しく話しかけて立ち直るきっかけを与えてあげるし、ネイサンにどんなにバカにされても目的を失わないからえらいなぁと思ってるんですが、過去にそんな悲しいことがあったからああいうふうに優しくなれるのですね。

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