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ユリイカ/Eureka :: 2-08 :: E=MC...? :: ネタバレ

transユリイカ/Eureka。シーズン2の8話。ネタバレ。
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SPOILER!!!
ネタバレです!!!

GD(グローバルダイナミクス)にニューフェイスが登場です。ゼイン・ドノヴァン(Zane Donovan)は13歳でMITに入学したが、放校処分になった。その後、物理学の超弦理論(superstring theory)について書いた論文でSpadaro Foundation Awardを受賞したと思ったらコーネルを退学。さらに連邦政府が麻薬犯罪者から押収した310万ドルを強奪した罪で逮捕された。天才で、社会不適応者で、犯罪者である。ゼインを連れてきたのはサム(Sam Lovejoy)っていうGD専属のヘッドハンターで、こちらも新顔。GDはFBIからゼインの身元を引き受けるのに25000ドルを支払ったという話をアリソンから聞いたジャックはひぃーーーと顔がひきつった。

「なんでこんな犯罪者を仲間にするんだ!?」「彼は頭がいいからネ。素粒子物理学者を探してたのよ」「ちょ、ちょ、ちょっと!」「落ち着くまであなたが面倒みてあげてちょうだい」「いつまで!?」「彼が信用できるって思えるようになるまで」「ヤダヨー」

てわけで、ジャックがこの天才犯罪者のお守りをすることになった。こりゃまたエラいもんを押しつけられたとジャックは落胆するが、ゼインは人生が楽しくて仕方がないって調子の若者であり、なにしろ天才なので留置場に入れてもテレビのリモコンを手に入れ、これを分解して部品を取りだすとチャチャとPCにアクセスし、魔法のような簡単さでネットサーフィン。ジャックのクレジットカード情報を盗み、ひとばんの間にカードの限度額を使い切った。「カードの使用限度額をあげといてやったから感謝しろよナ」なんていう悪辣さである。すごいなー。

その頃、GDでは最重要プロジェクトが進められていた。実験室の中に巨大ななにかが据えつけられ、ヘンリー、ネイサン、アリソンが大興奮のようすで話し合っている。そこにジャックがゼインを連れてきた。ゼインは実験室にあるものを見てウヒョーと感嘆した。それはchaotic inflation deviceというもんで、簡単にいうと、ビッグバンの瞬間を再現するためのマシンである。宇宙創世の瞬間を実験室で再現しようという試みだ。その瞬間にはとてつもなく巨大なエネルギーが噴出するのであり、そんなことしたら地球がフッ飛んでしまうんではないかとジャックが心配するが、ネイサンによれば「封じ込めるようにつくったからだいじょうぶ」なんだそうである。「これが成功したら宇宙論が根底からくつがえされるわよね!」とアリソンが述べると、ヘンリーもネイサンも大喜びの幸せ顔である。科学者の夢なんだな。

ゼインはこのプロジェクトチームに迎えられるという。いわばサイエンス界のドリームチーム入りだといえよう。だが新入りで犯罪者なので、ジャックがいいというまでは自由にやらせてもらえない。彼は留置場に戻された。反省してお行儀を覚えたら自由にしてやるということか。

その後、GDでエラい事件が起こった。実験が大詰めにきて、ビッグバン実験が秒読み段階に入ったらば、ラボのみんながまるで人が変わったようになり、天才科学者たちはまとめてアホになった。英語でdumb、stupid、moronとイロイロ呼び方はあるが、とにかくみんなまとめてアホガキみたいになっちゃったのだ!

ヘンリーは仕事をサボってデクスターズラボを見始めた。ポケーと幸せ顔でアニメに夢中であり、ビッグバンのことなんか忘れちゃったみたいだ。ネイサンはラジコン自動車で遊ぶ子供になった。アリソンは役立たずのアホギャルになった。彼らだけではなくて、GDのすべての人たちが集団アホ化のウィルスを注入されたようであり、ラボ内は大人たちが遊ぶ保育園みたいになった!

凶悪なウィルスを使ったバイオテロ?!ジャックはこの異常事態に仰天し、まともなヤツはいないかと探しまわった。ビッグバンの機械のスイッチを入れた後にこうなっちゃったので、とにかくそっちがヤバいのだ。このままだと地球が爆発しちゃう!あれを安全にシャットダウンさせなくちゃ!ラボじゅうを走り回って探したら何人かまともなひとたちがいた。正気を保ってる人間は少数ながら存在したものの、彼らの中に物理学者はいなかった。植物学者とか栄養士とか蝶の専門家とかそんなのしかいなかったので、ビッグバンなんてチンプンカンプンなのだ。また医療系のひとも見つからなかったので、原因解明の役には立たなかった。

まともなひとたちの中にグレン博士(Dr. Glenn)っていう女性がいて、彼女はサルの認知学(?)が専門で、ビッグバンもウィルスも専門外だが「アホガキになった人たちはみんなGABAが異常に低い」という点を発見した。GABA = Gamma-Amino Butyric Acid = アミノ酪酸。これが極端に失われるとサルもアルツハイマーになるという。

ジャックは「これはゼインのいたずらにちがいない」と考え、GDの方はグレン博士に任せて町に戻った。別れ際にみんなに「いまからみんなは物理学を勉強するように!」とハッパをかけておいた。ゼインはハイテク手錠をはめられて留置されていたがこれを難なく解除しサッサと逃げた。ジャックは先回りして彼を捕まえた。「おまえがやっただろ!」と聞いたら違うという。「あれほどビューティフルな実験をぼくが邪魔をするわけない」という。「なんで逃げるんだ?」と聞いたら「おれには関係ねーよ」なんて調子のヒネクレモードである。「仲間に入りたかったら助けろよな」といったら彼は協力してくれるようになった。彼の機転でビッグバンの爆発を室内に封じることができ、未曾有の危険は回避された。

地球爆発の危機は去ったが、集団アホ化現象は続いているので事態解決とはいえない。GDのヘッドハンターのサムが、ピッツバーグで最高の星占い師(astrologer)のマダム・オフェンスカヤっていうのを連れてきてジャックに紹介した。天文学者(astronomer)だと彼は思ってるみたいで、サムもアホ化したとわかった。その横ではヘンリーがヨーヨーに夢中である。

やっと原因がわかった。犯人はチキンの肉だった。ベジタリアンだけがアホ化しなかったとわかったからである。ジャックはチキン大好きだが、昨日は隣にいたベインが「ニワトリを殺すところを見たことある?」なんて嫌な話をするので、彼は出された料理を食べなかったのだ。だからジャックも助かった。さっそくグレン博士といっしょに供給元のテイラーファームにいってみた。

出てきた農場主に話を聞いた。農場の中にはニワトリが1羽しかいないので不思議に思ったら、なんとその農場主はニワトリのクビを締めて殺すなんてできないから、バイオテクノロジーを使って鳥の肉をつくる方法を開発したんだそうである。部屋の中に小さなセルがズラリと並び、中に肉のカタマリが吊るされている。鳥の細胞からつくるんだそうである。「100%オーガニックだわよ」といばる農場主であったが、グレン博士が「bicucullineを使ってるんならやめなさい!アレはGABAを抑制する作用があって認知症を引き起こすんだから!」といって犯人がわかったのでした。それを聞いた農場主は「知らなかったわ。チェスターになんていえばいいのかしら」と落ち込んだ。チェスターっていうのは、彼女が飼ってるクローンニワトリで、出荷された鶏肉の元になったニワトリだが、彼女はそれをものすごく愛してるのだ。

というわけで原因が判明。サルが専門のグレン博士が「たぶんこれが効くと思う」とかいって、スルホン酸塩(sulfonate)ちゅうもんを注射したらみんな治りました。正気に戻ったアリソンは "Hen oida hoti ouden oida." と述べた。私は知らなかったので調べてみたら、ギリシャ語の格言で "I know one thing, that I know nothing.「「私はひとつのことを知っている。私がなにも知らないということを」" という意味だそうです(引用元 → Wikipedia :: List of Greek phrases)。なるほど。

ジャックはゼインを許してあげることにした。ジャックはユリイカのシェリフで町の安全を守る役目だから、ゼインをどのように扱うかはアリソンから任されているのだ。「おまえが年を取って、足腰が立たなくなって、逃げられなくなるまでは許してあげない」とチョイ脅してやったがこれは冗談で、"Find the secrets to the universe.(宇宙の不思議を見つけてこい)" と送り出してやった。なんだか優しいおじいさんのようである。ゼインがジョーに気がありそうなのを見たジャックは「バレエに誘うといいよ」と教えてやった(ジョーの夢はダンサーになることだったと前のエピで明かされたから)。

冒頭でゼインがSpadaro Foundation Awardを受賞したといったが、これにはウラ話があったと明かされた。彼は受賞候補にはなったけれど、実際に賞金を手にすることはなかった。だれかがMrs. Spadaroの財団のシステムに侵入して大金を奪ったから。その後、財団に310万ドルの匿名寄付があったという。ジャックはゼインの仕業だと知ったが、黙っててやることにした。ゼインは喜んで、ハイテク手錠を返してくれた。「またいつか要るだろ?」ジャックはそれを持って立ち上がり、新しいボーイフレンドとイチャイチャ気味のゾィの手首にガシッとはめてやった。文句あっかウッシッシッというニタリ笑いは娘の親そのものである。

ちょい補足。アホ化したヘンリーが「ジャック、ビバリーのことをだまっててごめんよ。きっと彼女のせいでキムは ... 」なんて口走る場面があった。ジャックはなんのことだかわからなくて、相手はアホ化してるからわけわからんと思ったようだ。

※感想

新顔のゼインとサムはドラマの雰囲気にサラリと溶け込んでて違和感がありません。なかなかいい。また出てくるのかな。

アホ化するみなさんの演技がおもしろかった。バカみたいな感想ですが、俳優の演技ってほんとすごいですね。ほんとにみんなdumbになっちゃうんだもん。アホ化したヘンリーが「ジャック、自分がこうなって君のきもちがわかった。いつもこんなきもちを味わっていたんだね」という台詞が笑えた。それを聞いたジャックのなんともいえない表情もおもしろい。ジャックは事件が起こる度に科学用語がわからなくて、ネイサンにバカにされたり、ヘンリーに翻訳してもらったりしてるからそのことをいってるのだろう。

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  • Title: 2-08 :: E=MC...?
  • First Aired: 2007-08-28

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Thanks to: imdb.com, tv.com

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