TOP » ホラー » トゥルー・ブラッド/True Blood

トゥルー・ブラッド/True Blood :: 1-05 :: Sparks Fly Out :: ネタバレ

transトゥルー・ブラッド/True Blood。シーズン1の第5話。ネタバレ!
view: 19024
SPOILER!!!
ネタバレです!!!

前回のエピでビルは警官をチビらせたが、スーキーはそんなビルに深く失望した。「もうあなたのことは理解できません」といって完全ダメ出しである。ビルは説得を試みたが、聞いてもらえなかった。異文化的断絶というか。というようすをサムの飼い犬ファイドがくさむらでぢっと見ていた。サムのスパイなのだろうか。スーキーとビルの恋はオワリになった。これを素早く察知したサムは彼女をデートに誘った。

ちょうどその日の夜、スーキーのおばあちゃんが企画する『ヴァンパイアと語ろう会』が町の教会で開かれる予定である。これのメインゲストはもちろんビル。おばあちゃんはこの企画の発案者であり、彼女はこれをきっかけにヴァンパイアと人間の相互理解が深まればよいと思っている。「ヴァンパイアを教会に呼ぶなんてとんでもない!」という強固な反対者たちを説得して実現にこぎ着けた。

おばあちゃんがノリノリでやってる以上、スーキーとしてはビルとケンカしたといっても行かないわけにはいかない。と思ってたところにサムが誘ってきたんで、ふたりの初デートは教会ということになった。ビルの内側では嫉妬の炎がメラメラと思われるが、彼の内心はともかく、教会のイベントはハッピーに進行する。

町の教会に人々がざわざわと集まってくると、白いよそいきの服を着たおばあちゃんはうれしそうに歓迎した。ノリス市長もきた。市長の奥さんの手づくり料理がみんなに振る舞われるそうである。ヴァンパイアが教会でスピーチをするっていうのは前代未聞の珍事であるからして、教会にはたくさんのひとたち、子供からお年寄りまでつめかけた。みんなは興味津々である。そのほとんどはヴァンパイアを異端視しているが。

ビルは緊張顔で壇上にあがり、人々に挨拶した。どっかのおばちゃんが気を遣って十字架を国旗で覆ったのだが、ビルはみんなの見てる前で十字架を露にした。「ヴァンパイアは十字架の前に立っても燃えたりしないし、教会に入ることもできるんですよ」と述べた。人々はホエーとおもった。ビルは「ヴァンパイアと人間は共存できるとおもうのですよ」というようなことをしゃべりだした。聴衆の反応は(ふーんあっそ)てかんじである。次のquotesがナイスでした↓

Bill: Uneducated as we were, we knew little of the political or ideological conflicts that had lead to this point.
kid: Momma, he's so white!
Arlene: No, darlin', we're white. He's dead.

政治的な皮肉を込めてサラリと笑わせる脚本がよいですね。ここらへんまでは反応イマイチだったが、話題が変わって大昔の戦争の話になったら、人々は(ほうほう)と身を乗り出すようになった。やっぱり政治家みたいな話よりもリアルな体験話のほうがわかりやすいし、おもしろいのである。

ビルは1862年に従軍。第28歩兵隊の一員として闘ったといったら、聴衆のひとりが手を挙げて質問した。「わたしの祖父も第28歩兵隊だった。トリヴァー・ハンフリーズというんだけど知ってますか?」と聞いたら、ビルは友達だったと答え「彼は勇敢でした」といい、戦場で少年を救うために死んだという話をした。聴衆はしーんと静まりかえった。

次にノリス市長が手を挙げた。市長は町の古い資料を漁って見つけたものをビルに見せた。それはビルが戦争に行く前に家族と撮った写真だった。それを見たビルは感極まるのであり、市長に感謝した。そして当時の話をした。戦争にいった先で人間としての人生を終えた彼は(つまり、ヴァンパイアになった彼は)、その後、家族の元には戻らなかったそうである。「戻らなかった」というところで少し泣いた。ハンカチには血の涙がついた。みんなはかわいそうだなぁとおもった。スーキーは「そうだったのかぁ」という顔で彼の話に聞き入った。

というわけで、ビルの教会デビューはなかなかのもんであり、人々によい印象を与えた。「ヴァンパイアにもいいひとがいるんだな!」とたったひとりでも感じてもらえたら大成功である。スピーチ後には知らない男がビルに寄ってきて「ブラザー!」といったり、十字架を覆ったおばちゃんはビルといっしょに写真を撮らせてくれと頼んだりした(ヴァンパイアは写真に写るのだ)。おばあちゃんは大満足。いいことしたーみたいな。

ところで話は変わるが、前回のエピでナスビのように変容したアレにアイスピックのような注射器を刺されるという壮絶な経験をしたバカジェイソンであるが、この事件を重く見たタラはラファイエットに厳重抗議した。「あんな危険なブツを売るのはヤメロ!」とわーわー怒られたラファイエットは「はいはいわかりましたよ」と答えたんだけど、彼はそんなのへでもない。

タラと入れ替わりにやってきたジェイソンが「おめーのせいでヒデー目に遭った!」と怒るのを制し「運転ができなかったからといって、フェラーリを責めてはいけない」なんてうまいことをいい、それを聞いたジェイソンは「そうなの?」と興味を示した(バカ)。ラファイエットはにたーりと笑い「正しくハイになる方法を教えてあげるね」と誘った。ジェイソンは再びV-Juiceに手を出した。こんどは適正量を守ったのでナスビになることもなく、夢ワールドにトリップした。

目つきがぼわーんとしちゃって、歩く生殖器になった。元々が生殖器体質であるから、生殖器が生殖器化したというか、いいかえれば、ジェイソンがジェイソン化したといってもいいけれど、ともかく彼にとっては至福の境地である。感覚がものすごく鋭敏になっているみたい。

ジェイソンはタラが自分に対してほのかにvibeしているという点に気づいており、それはラファイエットにいわれたからなんだけど、彼はそれを知って以来、タラにムラムラするようになった。タラに情熱的に求愛してみたらば、タラは(なんかきもちわりぃ)と思ったようであり「シラフのときに同じことをいえ」と答えた。

その後、ジェイソンは立ちションベンでもするように手近なおねーちゃんをゲットし、バーの裏でsexした。ノラ犬みたいにヤッてるところをタラに見つかった。タラはものすごく怒ってジェイソンの頭に生ゴミをぶっかけたが、彼はオーイエーと答えてジェイソンワールド全開である。タラは深く傷ついた。

また、このエピソードでは、ゲイであることをバカにされたラファイエットがjerkな客を撃退するという楽しいシーンがあった。このシーンに出てくるjerk男は、教会のシーンの台詞によれば、刑事アンディの従兄弟である。このドラマにでてくるひとたちは親戚とか幼なじみばかりである。前のエピガイでは書き忘れちゃったんだけれど、ラファイエットとタラも従兄弟同士である。

Lafayette: Excuse me. Who ordered the hamburger with AIDS?
Terry: I ordered the hamburger deluxe.
Lafayette: In this restaurant, a hamburger deluxe come with french fries, lettuce, tomato, mayo, and AIDS! Do anybody got a problem with that?
Terry: Yeah, I'm an American. And I got a say in who makes my food.
Lafayette: Baby, it's too late for that. Faggots been breeding your cows, raising your chicken, even brewing your beer long before I walked my sexy ass up in this motherfucker. Everything on your goddamn table got AIDS.
Terry: You still ain't makin' me eat no AIDS burger.
Lafayette: Well, all you gotta do is say "hold the AIDS." Here. Eat it. Bitch, you come in my house, you gonna eat my food the way I fucking make it! Do you understand me? Tip your waitress.

という調子でドラマの主要人物のみなさんがドタバタしているあいだ、スーキーとサムだけはバーの仕事を休んでデート中。デートといってもカフェでコーヒー飲んでケーキを食ってるだけなんだけど、これはデート宣言したデートなのだ。

スーキーはサムといっしょにいたらば、不思議な点に気づいた。サムの心の声は普通のパターンとちがうのである。こんなこといってました↓

With you, sometimes there's words, but other times, I just get these sounds. Like, waves of emotions.

「断片的なワードがポロポロ聞こえて、その合間に感情のうねりみたいな音が聞こえる」ていうような意味だろうか。スーキーは彼に質問した。「だれもあなたの過去や家族を知らないのはなぜ?あなたはどこからきたの?」「過去のぼくはいまのぼくとは関係ないの」「どうしてずっとひとりなの?」「うぅむ。人間嫌いだからかも」「人間嫌いのひとがバーを経営しないでしょ?」「カワイコちゃんのウェイトレスと知り合うためかも」「あぁ。こんなクレイジー娘がきちゃってお気の毒」「スーキーはぜんぜんへんじゃないヨ。そのままがいい」「あなたはわたしの一面しか見てないんだよ」

なんてかんじでふたりのデートは進行したが、お別れのキスをしたところで大ケンカになった。スーキーがキスを受け入れつつ、と同時にかわいくイヤイヤしつつ「ま、まだちょっとはやいかも」といってたところまではよかったが「男をヒョイヒョイ乗り換えるのは抵抗がある」といったらサムがウガーと怒りだした。

「ヴァンパイアとキスするなんて!君もドーンやマードットみたいに殺されちゃうヨ!ヴァンパイアなんだぞおお!」なんていうので、スーキーも怒って「あんたにゃ関係ないでしょーが!」と言い返すのであり、その先はよくある罵り合いに終始し、スーキーはタクシーで家に帰った。結局のところ、このデートはスーキーが「やっぱりわたしはビルが好き」という気持ちを再確認したという結果に終わったように思われ、サムは完全に玉砕敗北である。彼はまたまた孤独な人生に逆戻り。

また、このエピソードでは、人間だったビルが人間でなくなり、ヴァンパイアになったそのいきさつが回想シーンで明かされた。戦争が終結したあと、彼は家に帰りたかったんだけど、森の中で迷ってしまった。ひとりでハラペコでうろついて死ぬかと思ったら小屋を見つけた。そこには女性がひとりで住んでてて、彼を助けてくれた。食事をくれて、ボントンに帰る道を教えてくれた。

親切女性は自分の夫の話をした。「彼は13歩兵部隊でShilohにいった。以前はよく手紙をくれたのに7ヶ月も連絡がない」と聞いたビルは悲しそうな顔をした。たぶん女性の夫は戦死したとビルは知ったと思われるが、彼はうそをついて慰めた。「郵便物はしょっちゅう届かない。手紙はどこかに埋もれてしまったのだろう」といったら、女性は「あなたは優しい。わたしはもう未亡人になった気でいる」という。彼女は悲しい顔つきで「ひとばん泊まってください」とかいって、ビルにキスをしようとした。

ビルはすまぬすまぬという調子でそれを拒んだ。「ボントンに妻と子供が待っている。ごめんなさい」と断った。女性は感心し「あなたはほんとうにいいひとだ」といい、悲しい打ち明け話をした。ときどき彼女の家に兵士が迷い着く。そのほとんどは脱走兵である。彼女は彼らをもてなしてやり、ひとばんの慰め合いをする。いけないことなのはわかってるが、いまは戦争じゃないか。わたしは悲しいのだというようなことを悲しい口調でしゃべった。悲しいメロディが流れます。ビルは悲しくなった。

ビルはめしを食い終えた。「あなたのご親切は忘れません」と丁重に礼を述べて小屋を出ようとしたらば、悲しみの未亡人は本性をだした。キバがグワー。ガブリと吸血された。目が覚めたらベッドに拘束されてて、ヴァンパイア化した親切女がいた。部屋の中には死体がゴロゴロある。

ヴァンパイア女は「わたしはあなたみたいな男が現れるのを待っていた。一生離さないからねうふん」といって、血をごくごく飲ませた。彼女は官能のうめき声をあげた。あぁああああ。

※日本昔話の、旅人をダマしてひきこんじゃうオニババみたいですね。キレイで優しくて親切なひとかと思ったら、じつはオニババ。包丁研いでますみたいな。この回想シーンはすごくヨカッター。女ヴァンパイアがすごくいいですね。悲しげ未亡人からモンスターに変化するっていうのがいい。モンスターになっても悲しげでしたが。

そして、本日のエピソード、衝撃のラスト。

サムと大ケンカして家に帰ったスーキーは、床の血だまりでスッ転びそうになった。そこにあったのは、優しいおばあちゃんの惨殺死体。スーキーは目の前の光景が信じられない。

また来週〜。

にほんブログ村 テレビブログ 海外ドラマへ

TOP » ホラー » トゥルー・ブラッド/True Blood