TOP » ホラー » マスターズ・オブ・ホラー/Masters of Horror
マスターズ・オブ・ホラー/Masters of Horror :: 2-08 :: Valerie on the Stairs :: ネタバレ

作家の卵のロブはちょっと変わったアパートに引っ越した。ここは彼と同じ作家の卵ばかりが住んでいる。っていうとリベラルなアーティスト村みたいな雰囲気を想像するが、じっさいは敗残者の吹き溜まりというか、限りなく無理な夢の残滓を引きずっている自称作家ばかりが住んでいるといった無惨なありさまで、恐らく各人は自分だけは違うと思い込んでいるんだろう。その点ではロブも似たようなもんかもしれないが、とりあえず彼は書きたいわけだし、ここは静かに作品づくりに没頭できる環境であるからして彼は満足なのだ。
ところが、せっかく静かに作品が書けると思ったら彼はありえない美少女のゴーストに惑わされる。名前はヴァレリー。全裸で透き通るような肌の美少女ゴーストはモンスターに囚われている。彼女は「タスケテ!」というが、そのくせモンスターとのsexにとり憑かれているのではないかと思えるフシもあったりする。
ロブはこのアパートが呪われてるんじゃないかと思って、変人ぞろいの住民の中でいちばんマシそうに見える男を捕まえて話を聞く。彼は「ヴァレリーなんて知らないよ」というが、彼の原稿をちらりと見たらば「ひみつの原稿」というのがあって題名は "Valerie On The Stairs(『階上のヴァレリー』)"。男は秘密の原稿を見られたと知ったら狂ったようにロブに殴りかかってきた。彼はその後ヴァレリーに出会い、そしてモンスターに殺された。そして他の住民たちも狙われる。どうやらこのアパートの住民たちがイカレた小説を書いてヴァレリーと悪魔を作り出しちゃったらしいのだ。
※感想
うぅむ。なんかあんまりネタバレを書く気がしない。アパート住民の1人の老小説家役のChristopher Lloydのぢぢい顔とか、美少女ゴースト役のClare Grantの刹那の表情とか、暗ーくて吹き溜まりみたいなアパートの雰囲気とか、グロいシーンはそれなりにギョッとするし、良い部分はいっぱいあるんだけど、なんだかパッとしない!Mick Garrisの作品はいつもなにかが足りないと感じてしまう。私と相性が合わないのかも。好きな人、ゴメンナサイ。
クライブ・バーカーは文字の魔術師ともいえるホラー小説家で、彼の文章は多義的幻視的であり、痛みと背徳とエロティシズムに満ちている。彼の作品を読んでいると脳内に舞台ができあがって神経に直接響くような立体感がある。「歯に染みる」という言い方があるけど「脳に染みる」ってかんじの文学だと思う。彼の作品を映像化しようとしたらば、作り手の意図でいかようにもつくれちゃうわけで、ディレクションのセンスがすごく問われるのではないか。Mick Garrisの意図したバーカーワールドは私にはグッとこなかったです。と思っちゃったのですが、これはいいよーという方がいたらご遠慮なく感想をお聞かせください。
もしかしたら、小説家が題材になってる小説が原作なので、台詞とか原稿の文章なんかがものすごく凝ってて、英語圏の人にはわかるようなゾゾゾなシカケがあったのかもしれない。私程度の英語力ではそこらへんまでは汲み取れなかったのかもしれない。
------------------------------------------------------
title: 2-08 :: Valerie on the Stairs
aired date: 2006/12/29
Writer: Mick Garris
Director: Mick Garris
Story: Clive Barker
- 2-03 :: The V Word :: ネタバレ
- 2-04 :: Sounds Like :: ネタバレ
- 2-05 :: Pro-Life :: ネタバレ
- 2-06 :: Pelts :: ネタバレ
- 2-07 :: The Screwfly Solution :: ネタバレ
- 2-08 :: Valerie on the Stairs :: ネタバレ
- 2-09 :: Right to Die :: ネタバレ
- 2-10 :: We All Scream for Ice Cream :: ネタバレ
- 2-11 :: The Black Cat :: ネタバレ
- 2-12 :: The Washingtonians :: ネタバレ
- 2-13 :: Dream Cruise :: ネタバレ
- Title: 2-08 :: Valerie on the Stairs
- First Aired: 2006-12-29
Writer:
- ミック・ギャリス | Mick Garris [imdb] (Writer)
- クライヴ・バーカー | Clive Barker [imdb] (Story)
Director:
- ミック・ギャリス | Mick Garris [imdb] (Director)
Star:
- ニコラ・リップマン | Nicola Lipman [imdb] (Nancy Bloom)
- ジョナサン・ワットン | Jonathan Watton [imdb] (Bruce Sweetland)
- クリストファー・ロイド | Christopher Lloyd [imdb] (Everett Neely)
- クレア・グラント | Clare Grant [imdb] (Valerie)
- スキ・カイザー | Suki Kaiser [imdb] (Patricia Dunbar)
- タイロン・レイツォ | Tyron Leitso [imdb] (Rob Hanisey)
Guest Star:
- トニー・トッド | Tony Todd [imdb] (Othakeye, The Beast)
- クリスティン・バリー | Christine Barrie [imdb] (Anna)
とうとう来ましたかクライブ・バーカー!
すっごい楽しみです♪最近はファンタジーの方に力を入れてしまって少々寂しかったのですが、まだまだ健在ですね。早く見たい!
そうそう、「ミッドナイト・ミート・トレイン」は北村龍平が監督するんですよ。今年公開するのかな?
ホント「血の本」シリーズはキョーレツな視覚描写なので映像化した監督との相性あるだろうなと思います。
「丘に町を」も映像化して欲しいな。
あ、失礼しました。「丘に町が」でした。
おぉ、バーカー・ファンの方、うれしいです。ミッドナイト・ミート・トレインの映画化の話はぜんぜん知りませんでした。テレビばっかり見てるもんで。新ニュースはうれしいです。これはたのしみですね。
これはいいよーと思った訳ではないのに感想書いてすいません。なんかつまんなくてウトウトしてしまいました、、。tinkerさんに全面的に賛成でイイトコもいっぱいあるのに世界に入りきれない。その理由は役者の下手さにあるような気がします。主人公の方がどんな事があっても結構平静に受け止めてるのがなんだかなあ。でもお話自体は深いと思うので本は未読だから読んでみたいです。マトリックスや統失の世界を考えてしまいました。
どもども。梅干美味しいさんもやっぱだめでしたかぁ。寛容なきもちにならないと、ホラーファンってやってられないとおもいませんw?ものすごいマレに「うぉおおお」な作品に出会えるのが楽しいというか。そのためならつまらんのをタテ続けに見てもがまんするみたいな。