TOP
『ロスト』のTOP

ロスト :: シーズン2 :: 15話まで見終わった感想

date: 3/09 22:14

Lost。season 2 Episode 15まで見ました。その感想を書きます。このドラマはなんといえばよいのだろう。

(私の知る限りですが)かつてなかったスタイルですよね。ありましたっけこんなの。ひとつひとつの台詞が練り込まれていて、profoundな響きをもっている、謎解きなんだけどそれが安っぽいミステリー仕立てというかんじでもなく、ひとつのエピソードを見終わった後のえもいわれぬ心地はいったいなんなのでしょう。アクションものを見終わった後のような「やったぜ」感もなく、けだるいというのともまた違う、満足したかどうかといえばどちらかといえば不満足に近い、だってなんにも教えてくれないんですから。結局今週もナニもわからんかったということに気づいてしまう私。

これくらい引っ張られると「まぁいいか」と飽きてきそうなもんですがその逆です。私も含めてもんもんと次週を待ち続けてしまうという方がたくさんいます。随所に文学的ですよね。また私は見ていて感じるのですが、あのつくりものくさいジャングルの描き方が意図的で効果的な演出なんじゃないかと思っています。私がいうつくりものというのは「スタジオセット的」という意味ではありません。飛行機事故で無人島に不時着した人々のサバイバル生活という設定ながら、それにまつわる、なんというか、ボーイスカウト的な「自然の厳しさ!」的な演出が希薄ではないですか?

人々は皆都会人で大してサバイバル能力なさそうですが、みんな顔色いいですし、着てるものもこぎれいです。ハリーがどうして痩せないんだ!とあちこちで話題になるくらいですし。だからあのジャングル(自然環境)はつくりものくさいと思うんです。あのジャングルはひとつの箱庭のように見えます。箱庭的なジャングルといえば私はボルヘスを想起するのですが、あの幻想に満ちた世界観ともまた違う軽さがあります。

あそこでジタバタしている人々は自然と闘っているのではなく、彼らの過去とかthem(正体不明の悪意に満ちた敵)と闘っているのですね。その舞台にジャングルという自然環境を選んだセンスが泣けます。むしろ映画「キューブ」のように非日常で残酷性が秘められた無機質な迷路があの森林の本質なのではないかと疑ってみるのでした。


ケイト役Evangeline Lillyが第一話の撮影を振り返って答えるインタビュー (前の記事)
2-11 :: The Hunting Party :: 良い台詞良い脚本 (次の記事) >
『ロスト』のTOP
[ ドラマ番組カテゴリ ]
[ お知らせなど ]
[ パクリサイトにご注意 ]
[ このサイトについて ]
[ 管理人にメール ]

TOP