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スリーパー・セル/Sleeper Cell :: 2-04 :: Faith :: ネタバレ

transスリーパー・セル/Sleeper Cell。シーズン2の4話。ネタバレ!
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SPOILER!!!
ネタバレです!!!
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ダーウィンはラッセルと密会。「ファリクの居所はつかめず」という報告を聞いた。ダーウィンは「ゲイルとマーカスをよそに移してくれ」と要求したが退けられた。2人はお互いに不信感を募らせている。ラッセルはゲイルに潜入捜査をさせる気満々だし、ダーウィンはラッセルのケースエージェントとしての能力を疑っている。

サウジアラビアのNajran。白い大豪邸に到着した車からファリクが降り立った。アラブ富豪が出迎えて中に案内する。ファリクは足を引きずってゆっくり歩く。美しい調度品に彩られた大豪邸には、大人たちに混じって子供たちが遊んでいる。彼らはみな孤児なのだという。これを見たファリクが「もしここが攻撃されたら『子供がたくさん殺された』って世間に訴えることができるね」なんていうと、アラブ富豪は「チャリティの特典だな」なんて答える(サラリと悪人を描くのがウマい!)。

ファリクはしばらくここに潜伏する模様。客人としてもてなされ、傷を癒している。軍服姿の男が訪ねてきた。組織の上層部と思われ。LAの攻撃が未遂に終わった経緯を聞かれ「メンバの恋人がポリスに駆け込んだ」と機密が漏洩したことを語る。ダーウィンとゲイルのことと思われる。ファリクは部下を掌握しきれなかった自分の不手際を恥じ「もし私の忠誠心を疑うなら、いますぐバグダッドで自爆テロをする覚悟がある」と述べたら、「それには及ばない。君とChasmaのつながりはとても有用だ」といわれた。Chasmaというのがナンだか、私たちにはわからない。

ところかわってファリクは大豪邸の中庭にひとりでいて、子供たちを眺めている。近寄ってきたアラブ富豪に心中を告白した。「あと30分遅かったら、私はしゃべっていたかもしれない。私は単に運が良かっただけだ。もししゃべっていたら、この家もあの子供たちも大変な災難に遭っていただろう」と胸の内を明かした。「運なんてものはない。アラーがあなたを助けたのである」といわれた。そこに2人の男がきた。彼らは富豪の甥であり、これからパキスタンのカラチにでかけるそうだ。なにかだいじなもんを運ぶらしい。男たちはファリクを尊敬の眼差しで見ている。

こちらはダーウィン。組織から次の指令がきた。例によって断片的な内容なので、テロ計画の全貌はわからない。ミナにはアイスボックスとかスーツケースなんかを買ってこさせた。サリムにはなにかの電子部品を工作する仕事を与えた(彼はエンジニア)。ここでサリムが欲求不満を募らせて「黒人の下で働くのはアホくさい」みたいなことをいってダーウィンにお仕置きされるシーンあり。

その後、ダーウィンはベニートを連れて海岸に行き、LAXに離着陸する旅客機を望遠鏡で見てたりする。そのときにベニートがアイスクリーム屋の小型バンを見て、「あれにSA18を積んでミサイルを発射できるように改造したらいいよね」なんていう。このビーチのシーンでは、ベニートが、コーランに帰依するようになったきっかけを「本から声が聞こえてきた」なんて語る。

イリア。彼はドイツのハンブルグに潜伏中。カーリを殺した罪悪感にさいなまれ、バーでチンピラに絡んでボコボコにされた挙げ句にお祈りをしているという孤独と絶望の日々。この無表情な横顔がステキ。

ダーウィンはラッセルからAcetoneという薬品スプレーをもらった。これはRDX爆薬を中和する(つまり無効化する?)作用を持つ。彼は後からこっそりそれをRDXにスプレーした。またラッセルとの会話で、サリムがSA18を改造することに成功したと明かされた(2-02でゲットしたSA18はプログラムに不備があって使えないものだった)。という状況からして、旅客機を撃墜する計画みたいだが、恐らくは、核攻撃を含む巨大な同時多発テロ計画の一端と思われ、全貌は依然として謎。

サリム。残業してたら以前デートをしたファラが訪ねてきた。サリムは厳格なムスリムだしファラはLAなおねぃちゃんなので、2人の価値観はバラバラ。このまえのデートでお互いにそれがわかったはずなのに、彼女の方からやってきた。「親がうるさいから」なんていっているが、彼女はサリムのことを気に入ったんだろうか。単に「結婚するなら固い男」と思ってるだけかもしれない。

ファラはサリムを、テレビ伝道師ムスリムのSafir Hamdiという男のライブに誘う。この男はテレビで「スンニ派もシーア派も仲良くしよう」と説いて寄付を集めているという人物で、ファラは彼に心酔してるが、サリムはインチキじゃねぇかと腹が立つ。サリムがテレビ伝道師を異教徒だと罵るので2人はバチーンとケンカ別れした。

ファリク。Azizというエンジニアが屋敷に拉致されてきた。ファリクの戦友らしい。Azizが「おれがChasmaのエンジニアと知ってのことだな」なんていうので、Chasmaっていうのは核関連施設の名称らしい。相手はファリクの要求を拒否する。「おまえにこれを渡したら、メッカを核爆撃する機会を西側に与えるようなものだ」という彼を「ユダヤ人のミサイルは既に配備されており、ヤツらはプロパガンダを進めている。先に攻撃しなけりゃやられるだけだ」なんて説得するが、Azizはあくまでノー。

ファリクはとつぜん話題を変えて「娘ができたんだよ」と父の顔になる。相手は「それはおめでとう」と答える。「娘の親っていうのは気を遣うものだよな」という口調は穏やかだが、やがてそれが脅しの文句に変わる。Azizは要求を呑むしかなくなった。

ミナはひそかにゲイルのことを調べている。パソコンでゴニョゴニョやって、夫がいることを知った(1-06で彼女は夫と離婚していなくて、彼は刑務所に入ってると明かされた。ダーウィンも知っている)。ミナは、ゲイルの勤務先のネイルサロンに客として登場。ゲイルは彼女がテロリストだと知ってるわけだが、知らぬフリで対応する。ミナは男のことやムスリムのことを熱く語る。「イスラムじゃ浮気は死刑なんだよ」なんて会話しつつ「いつでも連絡してね」と去っていった。ゲイルは怖いなと思った。

ゲイルが家に帰ったらラッセルがやってきた。「テロリスト女がわたしの職場にきた!」とわめく彼女をラッセルはなだめる。「24時間監視してるから安心しろ。適当に話を合わせていればよい。彼女がいったことはすべて記憶して報告してくれ」とゲイルは頼まれた。既に潜入捜査官扱いをされちゃってる上に、さらに「ダーウィンのためだ」なんていいつつ「彼をスパイしろ」なんていいだすので、ゲイルはNo fucking way!とラッセルを追いだした。彼女はいまやズブズブに巻き込まれているが、ダーウィンのために続けるつもりでいる。

サリムはテレビ伝道師の一件以来、イライラが止まらない。やり場のない閉塞感と噴怒に囚われている。ジムで汗を流していたらジェイソンという若い男に誘われ、サウナで行きずりの同性愛sex。一瞬の快楽に身を任せるも、その後ますますきぶんが悪くなる。孤独と罪悪感。仕事中のベニートを訪ねて「銃を手に入れたい」と頼むが、相手にされなかった。その後、モデルガンを手に入れて自分で改造した(銃の許可証がないためと思われ)。いったいなにをするつもりか。

ベニートから「サリムがへんだ」と連絡を受けたダーウィンは、すぐにラッセルを呼びだした。セルのメンバはFBIの監視下に置かれている。サリムの行動を聞いた。さらにラッセルがサリムの過去に関する調査報告を出してきた。それによれば、彼はかつてロンドンでsex絡みの事件を起こしたという。富裕な親が口止め料を払って事件を揉み消し、トロントの厳格なイスラムの学校に送られた。「超保守的な環境に入って頭がオカシくなり、女の子と普通にデートできない体質になっちゃったんだろうか」とダーウィンがいったら「今回は男みたいネ」とラッセル。

サリムの標的はテレビ伝道師。コイツを殺すことが自分にとって救済の道だとサリムは信じている。改造銃を手にモスクに単身突入。イッちゃってる目つきで標的を睨んだところでダーウィンにギリギリ阻止された。取り乱すサリムに「いまおまえがバカなことをやったら計画がオジャンになる」とリーダーらしく説いて聞かせた。サリムはおとなしくなった。

その後、ダーウィンはストリップバーでラッセルと面会。「今夜おれたちは1人の命を救えてよかった」とラッセルを褒めてやった。彼は「ありがとう」と答えた。

パキスタンのカラチ。防護服に身を包んだAzizが男たちに指示をして、燃料棒の作業を行っている。ファリクは隠れ家の屋敷にいて報告を受けた。「Azizが仕事を終えた。燃料棒はドイツに輸送される予定」。さらに新たな情報がもたらされた。「かつてのあなたの部下、ダーウィン・アル・アキームがLAにいます。彼はカリードの後を継いで、セルのリーダーになったのですよ」という話を聞いたファリクは怖い顔になって宙を睨む。

※感想

まぁおもしろかったけれど、このテーマはネタ的にシーズン1の4話とカブっているし、カブっているだけならまだしも、アレを超えるものではなかったので少し残念でした。

ファリクは相変わらずスゴいです。彼は遠く離れた地で精気を蓄え、LAに戻ってくる気配。彼がAzziを脅すシーン、穏やかな口調ながらもナイフのようなトガリ感。ダークです。あの眼力は悪のモンスターだ。

サリムがテレビ伝道師を罵倒するシーン。「売春を容認するようなシーア派と仲良くなれるわけないだろバカヤロー」といったら「"mutah"(ムトァという音に近い)のことだね?」と相手は聞き返し「金銭目的のsexはよくないのはあたりまえさ」となだめます。この "mutah" ってなによと思って検索したらわかりやすいページがありました。以下引用します。

シーア派では結婚契約期間を明記した結婚契約(ムトア婚)が許容されます。この制度は売春を合法化する可能性を持つものでありますし、スンナ派はこれを認めていません。(幕張伊斯蘭館 神田外大「イスラム文化論」ブログより引用)

ナルホド〜。ありがとうございます。上に引用したブログに行くとイスラム教のことが詳しくわかりやすく書かれています。Sleeper Cellを見ていると、こういうムスリム用語が出てきてわからないときが多いので、教えてくれるサイトがあると助かります。

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title: 2-04 :: Faith
aired date: 2006/12/13
Writer: Angel Dean Lopez
Director: Guy Ferland

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