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「Family」 directed by 三池崇史 Miike Takashi 【映画】

transヒマだったんで映画見ました。
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三池崇史という作家は「漂流街」を映画化したバイオレンス系の監督というくらいしか知らなくて、私は原作の「漂流街」のファンなので、自分の好きな原作のイメージをどこぞのだれかに踏みにじられてはかなわんと思い、というか、そもそも小説を読んだ時点で私の中では「漂流街」は完結しているわけだから、わざわざ映画を観ることもないわと思って見てなくて、そしたらば、テレビドラマのマスターズ・オブ・ホラーの13作目の「インプリント 〜ぼっけえ、きょうてえ〜」を観たらば、この監督はもしかしたらスゴいのかもしれない、この人がつくったんなら「漂流街」観てもいいかなと思ってたところに、NYに住むテレビ友達が「コレオモチロイヨ」と "Family" と進めてくれたのでこっちを先に観てみました。感想 → スゲーなぁ。

じつにパルプな質感の猥褻な暴力映画で、ストーリィをいちおういっとくと、3兄弟がいて、アニキがヤクザのボス(岩城滉一)、次男が自衛隊の偉い人(木村一八)、三男が暗黒街にその名を轟かす伝説の殺し屋(加勢大周)という設定からしてワイセツでしょう?それがヤクザの抗争話から始まって兄弟たちの母を巡る恨みを晴らす物語に展開していくという ... 人質を取り返しにいくのに戦車とか出てくるし ... こりゃまたじつにまったくパルプでイイネ〜と思ったら、原作が「週刊実話」に連載されてたコミックスというのでホエーと思いました。

ゴミタメ感満載のエゲツナサがえもいわれぬ安堵をもたらしてくれます。暴力という暴力がが連続的に通り過ぎていきますが、短いひとつのシーンが印象に残っています。不治の病(?)で入院している女性がリンゴにかぶりつくシーン。あのシーンが泣けちゃいましたよ〜。死にかけてる女性がベッドでリンゴを齧り、それを咀嚼し、胃袋を通じて栄養物を我が身に吸収しようとする行いは、欲望のはけ口を求めるチンピラが人質のヒトヅマをレイプして射精しようとするのと「生なる営み」という点でパラレルなのではないか。そんなアイデアがビビッと頭に浮かんで涙腺が刺激されました。

私は内田裕也の昔の映画が大好きで、「水のないプール(1982)」「十階のモスキート(1983)」「コミック雑誌なんかいらない!(1986)」は私の中では彼の三部作です。いまでも時々観る。特に「十階のモスキート(1983)」を観るとなぜか安堵して優しいきもちになります。三池氏の作品はまだ2つしか観ていないけれど、なんとなく内田作品と同じ導線を持っている気がするのでこれから他の作品も見てみたいと思うようになりました。

FAMILY (2001年)

監督: 三池崇史 (Miike Takashi)
音楽: MONKEY PIRATES

岩城滉一
木村一八
加勢大周
本郷功次郎
夏樹陽子
安岡力也(友情出演)

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