TOP » アクション » ロスト/Lost

ロスト/Lost :: 4-11 :: Cabin Fever :: ネタバレ

transロスト/Lost。シーズン4の11話。ネタバレ!
view: 34616
SPOILER!!!
ネタバレです!!!
---------------------------

今週はジョン・ロックのフラッシュバックでした。現在のお話は船のイベントと、島のお話はロックたちのその後が進行しました。彼らはジェイコブに会えたんでしょうか。それぞれのパート別にわけて書きます。

デズモンド、サイード他の船のみなさん

船。夜である。デズモンドとサイードはヘリの音で目が覚めた。キーミーと部下たちが戻ってきたのである。甲板にいってみた。重傷を負った兵士を運びだす者たちの中にはレイ医師の姿もある。私たちは彼の死体がビーチで発見されたことを知っているが(シーズン4の9話『The Shape of Things to Come』)、やっぱり島の内と外では時間が狂ってるんだと思われるが、どういう規則性によるのか不明である。デッキに降りてきたキーミーはこわい顔。サイードを捕まえ「島には何人いるんだ?」と聞いた。サイードが答えないと、船長のゴールトを銃で脅してますますこわい顔。「おまえがおれのことをバラしたのか?」と詰問した。キーミーは、ベンが自分の素性をすべて知っていたという点に腹を立てているのだ。

ゴールトは「知らん」という。てことは、スパイといえばアイツしかいない。ケヴィン・ジョンソンと名乗っていたマイケルである。マイケルはシーズン4の8話『Meet Kevin Johnson』において、サイードとデズモンドに自分が船に来た経緯を話し、怒ったサイードに「コイツはベンのスパイだ」と突き出されたんだが、その後、狭い船室に拘束されていた。

そこにキーミーがつかつか入っていって「オノレがスパイか!」と脅したらマイケルはアッサリ認めたんで即射殺。しようとしたらば、後ろで見ていたゴールトが「彼を殺すな。エンジンを壊した張本人がいないと船を直せない」だそうである。怒りのキーミーは知ったことかと引き金を引いたが、銃が壊れてタマが出なかった。マイケルは不死身だから。

キーミーはとにかく傍若無人である。船長のゴールトにも平気で銃を向けるし、やりたい放題の乱暴者。フランクがきて「ケガをした兵士は死んだ。死因がわからないんでみんなが不安がっている」と知らせたら「おれに任せとけ。スグに島に戻るからヘリの準備をしとけ」と命じた。フランクは逆らえない。

ゴールトがなだめるようにいった。「キーミー、おまえたちがいないあいだ、船では謎の病気で何人かが死んだ。レジーナは投身自殺。おまえはだいじょうぶなのか」という言葉は彼を心配してるというよりも、やんわりと冷静になることをすすめているようだが、キーミーはおかまいなし。「おれを心配してくれてありがとう。ヘッ。キーをよこせ」と命じた。ゴールトは拒否したが、むりやり奪われた。

彼が奪ったキーっていうのは、だいじな箱を開けるカギだった。その箱はゴールトの同意がないと開けられないようにカギがふたつあったんだが、キーミーはもんくあっかとソレを開けて中からファイルを取りだした。ファイルの表紙はダーマ印。キーミーによればそれは secondary protocol(不慮の事態が起きた場合の行動ルール)が記されているのであり、その中にはベンが逃げたときに向かうであろう場所が記されているという。それはテンプルだろうか。ウィドモアはこのような事態を想定してファイルを用意しといたのだと思われる。という話を聞いたゴールトは不服であり「島を襲うなんて聞いてないぞ」と怒ったが、キーミーは完全無視。「おれの銃を直しておけ」と部下に対するようにいいつけた。

サイードとデズモンド。甲板にいるふたりは拘束されてはいないものの、キーミーの部下に監視されている。運ばれていくケガ人を見た。「銃による傷には見えないな」としゃべってたらゴールトがきて、キーミーの部下を追い払った。彼はふたりを心配してくれてるようであり「おまえらが隠れる場所を用意したからそこにいろ」と世話を焼いたが、サイードはこういった。「おれたちにゴムボートをくれ。島のひとたちを救うには、彼らを島から出さなくちゃいけないんだ。おれがみんなを連れてくる」と申し出た。ゴールトは了解した。

マイケル。キーミーにブン殴られた後、捕虜のようにつながれていたが、そこにフランクが助けにきた。「おまえは815便の生存者だったのか。教えてくれればよかったのに!」「信じてもらえると思わなかった」「オイオイ。おれは海底の機体がニセもんだとずっと思ってたよ。信じるに決まってるだろ」「信用できるかわからなかった。だいたいあんたのボスがニセの機体を持ってきたんだろ?」「ほぉおお。陰謀説を考えてるのはおれだけじゃなかったか。えへへ」。フランクはのんきに笑ってるが、マイケルは深刻顔で訴えた。「キーミーをぜったい島に戻すな。彼は島の者全員を殺す。そんなことをさせてはいけない。信じてくれ」

フランクはギョッとするのであり、マイケルを立たせて廊下に出た。するとあっちの部屋の扉が開いてて、キーミーと部下の姿が見えた。キーミーは自分の腕に発信機のようなものをつけさせていた。あれはなんでしょう。フランクが「よー、ボス〜!コイツをエンジンルームにつれてくぞ」と声をかけたら、彼らは無言で扉を閉じた。見られたくないようだ。

サイードとデズモンド。コンテナのウラでゴールトと密会。ゴールトはコンパスを渡し「3-0-5の方角に行け。安全に島にいくにはこれしかないとファラデーがいってた」そうである。「キーミーがボートがないことに気づいたらどうするの?」「おまえらが盗んだことにするわ」てわけで、彼らは小さなゴムボートをもらえたが、デズモンドがすまなさそうにいう。「ぼくはいかない。3年間もあの島にいた。もうあそこには戻らないと決めたんだ。ペニーがこっちに向かってるかもしれないし」という顔はすまぬすまぬという調子。サイードはわかった顔で「最初のグループを連れて必ずもどってくる」と誓った。てわけで、サイードだけがゴムボートで船を脱出。島をめざす。

※『最初のグループを』というサイードの言葉通り、本当に小さなゴムボートなのでビーチのひとたち全員はいちどに乗れなさそうです。ところでデズモンドですが、命を賭けてチャーリィを救おうとした彼にしては薄情ではないかという気がしますが、ゴムボートは小さいのでなるべくたくさん乗せるためにはひとりのほうが好都合だわなという気もします。

夜。キーミーたちはせっせと武器をヘリに積むのに大忙しで、サイードが消えたことに気がつかない。彼らが運んでいるのはものすごい重火器類である。戦争行くみたいな。デズモンドはこっそりようすを見ている。キーミーの部下、オマーがレイに話しかける。「へんなこと教えてやろうか。ビーチからモールス信号がきたんだってさ。それによれば、ビーチで医者の死体がうちあげられたんだと。ノドを切られてね」「ヘッ。医者はここにいる」「へんだよな」としゃべってたが、ボスのキーミーがこわい顔で現れたんで会話は中断。

フランクもきた。「Mr.キーミー、この武器はナニゴトだ。科学者を運ぶ仕事だと聞いてたが」といったが、無視された。「ごちゃごちゃいわんと操縦席に乗れ」といわれたフランクは勇気を出してタテついた。「おれはヘリに乗らない」といってみた。「殺す」と脅された。「パイロットはおれだけ。おれを殺したらあんたは島に行けないな」と聞いたキーミーは近くにいたレイを捕まえ「ごめんヨ」とノドをざっくり。海にドボン。

「まだ気が変わらないか、フランク。30秒おきにひとりづつ殺していくぞ」と不敵な顔。ここでズドンと銃声がした。ゴールトだった。「おまえの銃を直してやったぞ」といって、キーミーに銃を向ける。キーミーは両手を挙げ「やめといたほうがいいぞ」と答え、さきほど部下につけさせていた左腕のなにかを見せた。ゴールトは不審顔であり「あれはなんだ?」と横を向いた瞬間、キーミーはガンマンの早さでズドン。ゴールトを射殺。こうなっちゃったらフランクは同意するしかない。彼は操縦席に座ると、大急ぎで衛星電話をバッグに入れた。ヘリは離陸。島へ。

こちらはビーチ。ジャックはずいぶんよくなったみたいだ。起き上がってつまみ食いしてたらジュリエットに怒られた。「あなたはまだ休んでなきゃいけない!」「ごめん。ハラペコだったんだ」「医者の患者ってこれだからキライ!」としゃべってたらヘリのローター音が聞こえて、みんなは驚く。

おぉおお。みんなはわくわく顔で夜の空を見上げる。ヘリには殺し屋たちが乗ってるわけだが、ジャックたちはそんなこと知らないのでうれしそうに空を見る。ずーと見てたらやがてヘリが飛んできたんだけど、みんなの真上を通りすぎていっちゃった。バッグが落ちてきた。中からあの衛星電話。フランクが落としたんだと思われ。電話の液晶パネルにヘリと思われる点が光っていた。どんどん遠ざかっていく。

フランクは「ヤバいから遠ざかれ」という意図を込めてそれを落としたのかもしれないが、ジャックたちにはそんなことわからない。ジャックは「追いかけてこいって意味かな」といった。アレを持ってたら逆に追跡されてしまいそうですけど、なにか意図があるんでしょうね。てか、このシーンだけではフランクが落としたかどうかも確実にはわからないですが。

ジェイコブの小屋を探す3人組

ロック、ベン、ハーリィは一日中歩いて、ジェイコブの小屋は見つからず。ハーリィがわかるっていうんで彼を連れてきたが、本人もわからないという。夜になってキャンプ。ハーリィはこわがった。「ここで寝るの?モンスターが出るかもしれないし、彼(ベン)もいるヨ。船の連中が戻ってきたらどうなるの?」と不安を述べたが、ロックがなだめた。彼らはいったいどうやってジェイコブを探すんでしょうか。

翌朝。ロックはガツンガツンという音で目が覚めた。ベンとハーリィはぐーぐー寝ている。ひとりで見に行ったらホレス・グッドスピードがいた。グッドスピードは少年ベンが父ロジャーといっしょに島にきたときに迎えたホストであり、ロジャーをダーマに招いた人物である。シーズン3の20話『The Man Behind the Curtain』でおさらいしてください。彼はベンがダーマを全滅させたときに死んでるはずである。

なんていう経緯を知らないロックは驚いた。知ってても驚きだが。グッドスピードはピンピン生きており、ダーマ印のツナギを着て、ひとりで木を切っていた。ロックは声をかけてみた。「君はだれ?なにしてるの?」「ハロー。ぼくはホレス。妻から逃げ場をつくろうと思ってサ。それにたまにはダーマから離れて息抜きしなくちゃね。ふふ。わけがわからないでしょ?」「わからない」「ぼくは12年前に死んだのさ」という口調はにこやかだが、最後の台詞をいったときには鼻血が出てきた。彼はバタンと木を倒した。

ロックがふと気づくと同じところにまた木が生えていた。グッドスピードが振り返って「ハロー」と挨拶した。なんだかよくわからないがループしてるみたい。驚くロックに彼はいった。「ぼくを見つけろ。そうすれば彼に会えるぞ」「彼って?」「ジェイコブだ。彼は長いあいだ君を待っていた。ぼくはホレス・グッドスピード。覚えておいてね」

ロックは目が覚めた。夢だった。起きたらベンがじろりとこっちを見ていた。ロックは夢の意味を考える。ジェイコブのお告げだなと思うとげんき百倍。ハーリィを起こして移動を開始する。「行き先がわかったぞ」といったらベンがいやらしく笑った。「ぼくもよく夢を見たもんだ」

森を歩きながらハーリィがとロックが会話していて、後ろからベンがついてくる。ロックが「君は特別だから小屋が見えるんだ」といったら、ハーリィは「ぼくたちだけに小屋が見える理由を思いついたよ。ぼくたちがいちばん狂ってるからじゃない?」といった。

ロックが向かった先は、かつてベンに撃たれて殺されかけたダーマの死体放置場だった。ロックはハーリィにダーマが滅びた理由を教えた。かつて島で共同生活をしていたダーマの人々が一日で全滅させられたこと、その大虐殺はベンの仕業によるのであると教わったハーリィはチビリ顔で死体の山を見た。側にいるベンはいやそうな顔つきだが、ずっと黙って聞いている。

ロックはひとりで死体の穴に下り、なにかを探しはじめた。ベンとハーリィはそれを眺めながら会話する。ハーリィは「あなたはここでロックを撃ったの?」と聞いてみた。ベンは「そう。いま君がたってるその場所で」と認めたが、いまでは後悔してるようなことをいった。「それが意味のないことだと気づくべきだった。頭がボケてたんだ」なんていいわけ口調である。ハーリィは「ダーマのひとたちを殺したのもおなじ?」と聞いてみた。ベンは「わたしは殺してない!」と否定し「アザーズがダーマを全滅させたのはほんとだが、それをやらせたのはわたしじゃない。リーダーがやらせたんだ」「あなたがリーダーでしょ」「いつもそうだったわけじゃない」

としゃべってるあいだに、ロックはグッドスピードの死体を発見した。ツナギの名札でそれだとわかった。そのポケットからジェイコブの小屋の設計図と地図が出てきた。ロックはアイテムゲットでうれしくなった。

地図を発見したロックはハーリィに「ビーチに戻ってもいいよ」といいだした。「銃を突きつけて君を連れてきちゃってすまぬ。どうしても必要だと思ったからそうしたんだけど、こうして地図をゲットできた。だからいまからでもビーチに合流したら?」といって、方角を教えた。といわれたハーリィだが、彼は自主的にロックについていくことにした。

ハーリィは「ひとりでジャングルを歩くのは安全じゃないから」といってたが、本当は彼もジェイコブに興味があるんじゃないだろうか。と思ったら、ベンがいやなことをいった。「これで彼は自主的に君のほうについたね。なかなかうまいな」という。人を操って味方につける手腕がうまいなという意味みたいだが、ベンにそんなこといわれてもロックはうれしくない。「ぼくは君じゃない」といったら、ベンは意味ありげな顔つきで定番のタメタメ演技。そしてこういった。「たしかに君はちがうな」

夜になった。ロックが興奮ぎみに「あと200ヤードだ」という。ベンが「ほんとにそこにある?動いてるかも」という。「そこにあるとお告げがあったのだ!」「フム。わたしもかつてはお告げを聞いたよ。選ばれただの、特別だのといわれてきたが、その後、背骨に腫瘍ができるわ、娘は死んじゃうわ」「...」「ぼくの運命だからしょうがない。君もそのうちわかる。選ばれた者のみが払わされる報いがくる。運命っていうのは移り気なビッチのようだね」

運命について語るベンの台詞はおっかない。原文台詞↓

Those things had to happen to me. That was my destiny. But you'll understand soon enough that... there are consequences to being chosen, because, destiny, John, is a fickle bitch.

ハーリィが「小屋だ」と叫んだ。3人はやっとそれを見つけた。

ロックは目を輝かせて「さぁいこう」というが、ベンは「ぼくは外で待つ」といいだした。「島はぼくに腫瘍を与え、君を癒した。ぼくの時代は終わったのだ。君がいけ」だそうである。ハーリィも「ひとりでいったほうがいいよ」といった。

ロックはいっちょういくかと覚悟を決め、代表者のような顔つきで小屋に近づく。入り口でランプを見つけたんでそれに火をつけて入った。イスに座った男がひとり。最初は顔が見えないが、徐々にそれがだれだか明かされる。ジャック父、クリスチャン・シェパードがそこにいた。なごやかな表情でロックを迎えた。

Locke: Are you Jacob?
Christian: No. But I can speak on his behalf.
Locke: Well, who are you?
Christian: I'm Christian.
Locke: You know why I'm here?
Christian: Yeah, sure. Do you?
Locke: I'm here... because I was chosen to be.
Christian: That's absolutely right.
Locke: Claire?
Claire: Hi, John.
Locke: What are you doing here?
Claire: Don't worry. I'm fine. I'm with him.
Locke: Where's the baby?
Christian: The baby's where he's supposed to be, and that's not here. It's probably best that you don't tell anyone that you saw her.
Locke: Why? Why is she...
Christian: We don't have time for this. The people from the boat are already on their way back, and once they get here, all of these questions won't matter one bit. So why don't you ask the one question that does matter?
Locke: How do I save the island?

ロック:あなたがジェイコブ?
クリスチャン:ちがう。だがぼくは彼の代表者である。
ロック:あなたはだれ?
クリスチャン:ぼくはクリスチャン。
ロック:ぼくがきた理由を知っていますか?
クリスチャン:もちろん知っている。君は知ってるの?
ロック:ぼくがきたのは ... ぼくが選ばれた者だから。
クリスチャン:まったくその通り。

(ここで暗闇にもうひとりだれかがいることに気づいた)

ロック(驚く):クレア?
クレア(落ちついたにこやか顔):ハイ、ジョン。
ロック:ここでなにをしてるの?
クレア:心配しないで。わたしはだいじょうぶ。彼といっしょなのだから。
ロック:赤ちゃんはどうしたの?
クリスチャン:赤ちゃんはいるべきところにいる。それはここではない。彼女がここにいたことをだれにもいってはいけないよ。
ロック(驚愕顔):なぜ?いったい彼女がどうして ...
クリスチャン:時間がないんだ。ヤツラはすでに戻りかけている。いまはそんなことにこだわっている場合ではない。君にとっていちばんだいじな質問をしなさい。
ロック:どうやったら島を救えるのですか?

暗闇から出てきたクレアにロックも私たちも驚くが、彼女の態度はとても冷静である。なぜだか知らないが、彼女はクリスチャンを信用してるようだ。アーロンをほっぽりだしてきてるくらいだから、よほど彼女の気を変えさせる話を聞いたんだと思われる。ロックの最後の質問「どうやったら島を救えるのですか?」のシーンでは、彼女はかすかに笑ってクリスチャンの顔を見た。その答えを既に知っているような顔つきだった。

小屋の外ではベンとハーリィがポケーと待っている。ハーリィはポケットからもぞもぞチョコバーをだした。ベンはそれを物欲しそうな顔でぢーと見、ハーリィは半分やった。ふたりはオサルみたいに仲良くチョコを食った。このシーンはなんともいえない間があり、小津安二郎の映画みたいである。そこにロックが緊張顔で戻ってきた。ベンが興味津々で聞く。「ジェイコブから聞けた?」と聞いたら、ロックは「うむ」と答えた。そして重々しい顔つきでこういった↓

He wants us to move the island.

島を動かせ、だそうだ。

ナンジャソレ!とひっくり返ってこのエピはおしまい。また来週〜。となったわけだが、続けてロックのフラッシュバックを以下にまとめます↓

ロックのフラッシュバック

50〜60年代ぽい音楽とファッション。エミリーっていう女の子がデートにでかけようとしたらば、ママに止められた。「あなたの2倍も年上の男でしょ!」と怒られるが、エミリーは「愛してるんだ」といって駆けだす。が、家の前でドカンと交通事故。病院に担ぎ込まれたが、彼女は看護婦に「わたしは妊娠してるんだ!もうすぐ6ヶ月!」と訴えた。緊急出産。母、ベイビー共に無事だった。このとき産まれた男の子がジョン・ロックである。

赤ちゃんは超がつく未熟児だったのでスグに保育器にしまわれて運ばれていったが、このときエミリーは「その子の名前はジョンだ!」と叫んだ。この時点で名前を決めていたというのが不思議です。なんかあるんでしょうね。

ジョンは『最も若くして産まれ、生き延びた未熟児』としてその病院の記録になった。看護婦は感染症だの肺炎だのとズラズラ並べ、いかにジョンが病気と闘って生き延びたかを語った。産まれた時点で既に受難は始まってたのですね。彼は母に抱かれることはなく、すぐに養子に出された。病院で見知らぬスーツ男がぢっと赤ん坊を見ていた。この男はリチャード・アルパート。アザーズのひとりであり、少年ベンに優しく語りかけ、ダーマを全滅させ、ジュリエットをヘッドハントしたリチャードである。彼はいろんなフラッシュバックで登場するが、いつも見ための年齢は同じ。

ときは流れて、ジョンは少年になった。見ため6歳くらいかな。どっかの家にもらわれていったが、あまり幸せそうでない。その家には年長の女の子がいて、彼はいじめられている。バックギャモンで遊んでいたところにスーツ姿のリチャードが現れた。ジョンの義母はどういう話を聞いたのか知らないが、やけにほくほく顔であり「このおじさんがあなたに会いたいって。お利口にしてなさい」という。

リチャードは少年ジョンにこういった。「ぼくはリチャード。特別な子だけが入れる学校を運営している。君をスカウトしにきた」という口調はとても優しい。彼はいくつかのアイテムをカバンの中から取りだし、テーブルに並べ始めた。こんなもの↓

  1. 使い古した野球のグローブ
  2. 『BOOK OF LAWS』というタイトルの古い本
  3. ガラス製の小ビン(中には白っぽい砂状のもの)
  4. アンティークぽいデザインのコンパス
  5. 『Mystery Tales』というタイトルのコミックマガジン(『HIDDEN LAND!』ていうタイトルが見える)
  6. 古いナイフ

リチャードはこれだけのものを並べ終えると「君のものはどれ?」と質問した。不思議に思ったジョンが「欲しいのを選べってこと?」と聞いたら「ちがう」という。「この中のどれかはすでに君のものだ。それはどれ?」と謎めいた質問をした。『特別な子』かどうかを見分けるテストみたいである。ジョンは小ビンとコンパスと本に興味を示した。リチャードはわくわく顔になったが、ジョンが考えた末にナイフを選んだらムムーと落胆し「ほんとにソレ?」と念を押した。ジョンがうなずくと、ウンザリ顔となり、冷淡になり、まったく興味を失って帰っていってしまった。ジョンは意味がわからないけど、がっかりしたのは確かである。

義母は残念そうであり「いったいどうしたの?」と責めたが、ジョンは無言。彼を渡せばたくさんお金をもらえるみたいな話があったのだろうか。ジョンとリチャードが会話するシーンでは、ジョンが描いた絵が出てきて、リチャードが注目していた。私には『ケムリが地面から出てきて人を襲う絵』に見えたんだけどよくわからない。

ときは流れて、ハイスクール時代のジョン・ロック。ロッカーに閉じ込められているところを先生に助けられた。ハフハフいって出てきたら、女の子たちがギャハハと笑った。顔にケガをしている。典型的ないぢめられっ子である。同情した先生がなにがあったか聞き出そうとするんだが、彼はいわない。

先生はジョンに優しく世話を焼き、ニコニコ顔で「君にいい話がある」といいだした。ポートランドにとある企業が所有する Mittelos Laboratories っていうラボがあり、そこでは優秀な科学者を求めていて、先生はラボのアルパート博士(つまりリチャードと思われ)と話したという。相手はジョンのことを知ってて、彼らが主催する科学を学ぶサマーキャンプにジョンを招待したがっているそうだ。

先生は「いい話だろー」とすすめてくれたんだけど、ジョンはまったく興味がない。興味がないどころか怒りだす。「サイエンス・キャンプだって?先生、ぼくがそういうふうだからいぢめられるんだよ!それがわかんないの?」「ジョン、君にはいいチャンスだよ」「彼らはぼくのナニを知ってるの?」「きっと Costa Mesa のサイエンスフェアの君の発表を見たんじゃないのかな」「ぼくは科学者じゃない!ボクシングをやったり、釣りをやったり、ドライブしたり、スポーツやら、そういうのがやりたい!」「ジョン、聞け。わたしが君の年頃にだれかにいってほしかったことをいう。君はビーカーやチューブに囲まれたラボ人種になるのがいやかもしれないが、でも君はそうするべきだよ。君はプロムキングやクォーターバックやスーパーヒーローにはなれない」「ぼくがナニをできないかについてつべこべいうな!」

このときロックが最後にいった「ぼくがナニをできないか〜」は彼の定番台詞ですね↓

Don't tell me what I can't do!

さらに年月が過ぎた。いまはリハビリ中のジョン・ロック。シーズン3の13話『The Man From Tallahassee』において、実の父親に窓から突き落とされ、下半身マヒになった。その後の彼である。病院でリハビリをやってたが疲れて倒れた。辛そうである。ヘルパーのひとが車イスを持ってきた。彼に病室まで連れていってもらう。

ヘルパー男は「気を落とさないで、Mr.ロック。あなたはなんでもできるようになる」という。ロックは寂しそうに笑った。「ぼくのファイルを見てからいえ。背骨が折れたんだよ。ぼくの足に感覚が戻らない可能性は98%」「わたしはあなたのファイルを読んだのですよ。あなたは8階の窓から落ちて助かった。奇跡じゃないですか」

ここで私たちはやっとこさ、このヘルパーの顔を見れる。そしてハッとする。こ、これは謎の黒人男のマシュー・アバドンであった。シーズン4の1話『The Beginning of the End』では、ハーリィのフラッシュフォワードで精神病院に現れ、オーシャニック航空の弁護士と名乗った男、シーズン4の2話『Confirmed Dead』では、ナオミにファラデーたちの写真を見せて命令を下した男である。このエピでは『マシュー・アバドン』という名前は出てこなかった。名無しの介護ヘルパーである。以下ふたりの会話↓

man: Do you believe in miracles?
Locke: No. I don't believe in miracles.
man: You should. I had one happen to me.
Locke: Hey, look. I just want to go back to my room.
man: You know what you need, Mr. Locke? You need to go on a walkabout.
Locke: What's a walkabout?
man: It's a journey of self-discovery. You go out into the Australian outback with nothing more than a knife and your wits.
Locke: I can't walkabout anything. In case you haven't noticed, I'm a cripple.
man: Is that what you are, Mr. Locke? I went on my walkabout convinced I was one thing, but I came back another. I found out what I was made of, who I was.
Locke: And here you are, an orderly.
man: Oh, I'm a lot more than just an orderly, John. When you're ready, Mr. Locke, you'll listen to what I'm saying. And then when you and me run into each other again... you'll owe me one.

男:あなたは奇跡を信じますか?
ロック:いや信じない。
男:あなたは信じなくちゃ。わたしは経験があるんですよ。
ロック:早く部屋に戻らせてくれ。
男:Mr.ロック、あなたがやるべきことをお教えします。あなたは旅に出なくちゃいけない。
ロック:旅だって?
男:自分を発見する旅に。オーストラリアの奥地にいって、ナイフと知恵だけでサバイバルするんです。
ロック:ぼくは旅に出れない。見たらわかるでしょう?障害者なんだよ。
男:果たしてほんとうにそうかな、Mr.ロック?わたしは自分の旅に出たとき、わたしはじぶんがなにものかを学んで帰ってきました。
ロック:だから次はぼくにそれをやれと?それを伝えにきたの?
男:わたしはただのお使いではありません、ジョン。ときがきたらきっとあなたはわたしのいうことに耳を傾けるようになる。いつかまた会えたとき、あなたはわたしに恩義を覚えるでしょう。

※トリビアMEMO

  1. フラッシュバックの冒頭で流れたレトロな曲は "Everyday" by Buddy Holly。
  2. ジョンの義理の姉の名前はメリッサ。赤ちゃんの義弟がいた。こちらは名前わからず。
  3. リチャードがジョンに見せたコミックブック "Mystery Tales" → コレ
  4. ハイスクールの先生がジョンに語ったラボはかつてジュリエットがヘッドハントされて行った場所と同じと思われる。コレ → Mittelos Laboratories
  5. キーミーが手にしたファイルのカバーについてたダーママークと、シーズン4の9話『The Shape of Things to Come』のフラッシュフォワードでベンが着ていたダーマジャケットのマークは同じ。
  6. ジェイコブに選ばれたという共通点を持つロックとベンは、同じ名前の実母を持つ。どっちもエミリー (Emily)。後から追記。名前は同じですが別人ですよ。
  7. ロックの定番台詞 "Don't tell me what I can't do!"

※感想

いつもながらロックのお話は重たいですね。まったく気の毒。産まれた時点で災難続きだもんなー。ところで『ナイフ』ってのが象徴的に出てきました。リチャードは少年ジョンがナイフを選んで落胆し、一方、マシュー・アバドンはロックに "You go out into the Australian outback with nothing more than a knife and your wits." といって、ナイフを使うように薦めました。んー、だからナンだと聞かれても困るわけですが。

次回『4-12 :: There's No Place Like Home (1)』は5月15日オンエア予定です。

にほんブログ村 テレビブログ 海外ドラマへ

  • Title: 4-11 :: Cabin Fever
  • First Aired: 2008-05-08

Writer:

Director:

Star:

Recurring Role:

Guest Star:

Thanks to: imdb.com, tv.com

Related Links:

TOP » アクション » ロスト/Lost