カイルはシーズン1のラストで自称本当の親たちと共にコネチカットの家に帰ったが、彼らは本当の両親ではなくて、そこで待ってたのはアダム・ベイリン（Adam Baylin）という男だった。以前キャンパスの写真で見たカイルにそっくりなひとである。彼は写真で見たときよりも年を食っていた。あれは20年も前の写真だったから。

アダムはカイル出生の秘密を明かす。アインシュタインは一般人よりも数週間も長く母親の子宮にいたという。このせいで彼は異能的な天才になったのではないかという説があって、アインシュタイン自身その仮説を元に実験していたというトンデモ噂がある。それはほんとうの話で、アインシュタインが実験を挫折した後、どっかの研究所がそれを引き継いだ。彼らは1950年から秘密裏に実験を始め、その初代の成功例がアダム・ベイリンなのだという。

アダムの母は出産時に死亡したが、アダムは健康に育った。彼は大人になってから自分の出生に関わる実験を自分で研究し、こんどは代理母ナシで出産できる人工子宮みたいなもんを発明した。そのプロジェクト名（てか組織名？）はZzyzxという。そこは人工子宮だから、産まれた赤ちゃんにはおへそがない。カイルにもおへそがない。カイルは、自分はそこから産まれたんだと知った。カイルは実験室で培養されたハイパー人間の後継モデルなのだ。

カイルが産まれた後、アダムはZzyzxと意見が合わず衝突した。そして彼らのところから逃げだした。Zzyzxの警備担当者だったトム・ファスもついてきて、彼らはZzyzxに見つからないように山の中の邸宅に住むようになった。アダムはZzyzxがカイルに危害を及ぼすと知り、自分の『息子』を助けたという経緯なのだった。

トム・ファスがアダムにどんな恩があるのか謎だが、彼はものすごい使命感でアダムを守ろうとしている。単なる仕事以上の熱意なので、きっとなにか秘密があるのだろう。この家にはもうひとり男が住んでいて、名前をブライアン・テイラー（Brian Taylor）という。ブライアンはアダムの長年の友人であり、彼もまたトムと共にアダムを守ろうとしている。

という経緯が明かされつつ、トラガー家のみなさんはカイルがいなくてものすごく寂しがっているとか、カイルがアダムに超能力の使い方を教わるとか、マトモだった頃のZzyzxを支援していたのはLatnokというグループで、それはハンガリー語で『予言』という意味らしいと明かされるとか、いろんなシーンが進行しつつ、アダムが何者かに狙撃されて死んでしまう。

Zzyzxの犯行と思われる。トムはスグにここから移動するといい、そして彼はZzyzxの研究所に単身で潜入し、敵の建物を爆破した。カイルは戦闘を好まないのでトムを止めようとしたが、間に合わなかった。このシーンでは、最新の後継モデル、カイルのそのまた次のハイパー人間が人工子宮で眠っているのが映る。女性だ。カイルよりもスゴい能力を持ってるんじゃないだろうか。彼女は爆破を生き延びて、かつてのカイルのように森の中に放りだされて、ひとりでそこらへんをさまよっている。ということを誰も知らない。トムもカイルも彼女が死んだと思ってるみたい。

アダムが死んだ今となってもトム・ファスの使命感は強固であり、彼はこんどはカイルを守るのがおれの仕事だという。だが、カイルはトラガー家に戻ることを選択した。出生の秘密はぜったいにしゃべらないとトムに誓った。カイルはシアトルに戻って、みんなは泣いて喜んだ。この先、何も知らない家族たちはスゴい危険な目に遭ったりするんだなきっと。