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デクスター/Dexter :: 2-02 :: Waiting to Exhale :: ネタバレ

transデクスター/Dexter。シーズン2の2話。ネタバレ。
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SPOILER ALERT!!!
ネタバレです!!!

眠れぬ夜を過ごすデクスターのナレーション↓

I'm drifting. I finally get a chance to kill and I can't do it. And a second chance and he gets away. And now all my secrets are floating to the surface. Where is the orderly, controled, effective, Dexter? How did I loose him? How do I find him again? I'm drifting.

ぼくは迷い道に入り込んだみたいだ。2度も失敗した。チャンスだったのに!ぼくの秘密は水面スレスレに見えている。ほんとにヤバい!めちゃめちゃだ!なんで彼を逃がしちゃったんだ?どうやってヤツを見つけたらいい?

マイアミ湾の海底で発見された大量死体袋にマスコミは大注目だが、その前に別の殺人事件。デクスターは「自分の問題も解決できないというのに、どうやって犯人を捕まえればいいのだろう」と重い気分で現場にやってきたが、死体を見てますます落ち込んだ。それは前回リトル・チノに殺された男の母親のエヴァだった。マチェテ(デッカい包丁みたいなナイフ)による傷跡は息子を殺害したものと同一であり、これは鑑識の結果を待たずともリトル・チノによる犯行であるとミエミエであり、ものすごく挑戦的なメッセージである。相手は証言しようとした母親を殺し、警察をセセラ笑っているのだ。そしてヤジウマの大半はヒスパニック住人であり、彼らもまた警察を無能だと思っている。ゆえに彼らは捜査に非協力的である。近隣住民に話を聞こうとしたデブラは子供にビッチ呼ばわりされた。

殺されたエヴァには幼い娘がいた。兄と母を連続して殺された彼女は痛々しい限り。女性警官が彼女をダッコして車に乗せていくのを見たデクスターは、その顔にハリィに救出された自分を見てめまいがした。エンジェルは彼女が負った超絶的な痛みを想像し、デクスターは「全くひどい話だ」と感想をいった。

またこのシーンでは、マスコミは海底死体袋のシリアルキラーに『ベイ・ハーバー・ブッチャー(Bay Harbor Butcher)』と命名したとマスウカの口から明かされた。エンジェルは「ベイ・ハーバー・ブッチャーがじつはアイストラックキラーだったなんていうオチだったらいいのにな」とありえない希望を述べた。エンジェルとデクスターは重いきもちでエヴァの死体袋を見送った。エンジェルは "This one's on us, man.(おれらがカタをつけなくちゃな)" と決意し、デクスターは「ぼくが昨夜リトル・チノを殺していれば彼女は死なずにすんだだろう」と深く後悔した。

デクスターはギリギリ瀬戸際のドタンバである。とにかくいまはリトル・チノ殺害に全神経を集中しなくてはならない。逃がしたときに顔を見られているのだ。カーラジオでは海底死体袋のニュースがジャンジャン流れているのでプレッシャーは高まるばかりだが、この状況でミスは許されない。人生がパーになる。いっちょうやったるぞと自分に言い聞かせてドライブしてたら尾行車に気づいた。リトル・チノか。ちょうどよい。サクッと殺してしまえと停車して相手に駆け寄ったら相手はドークスだった。ドークスは血相を変えて近づいたデクスターを見て「おれ以外におまえを尾けまわすヤツがいるんだな」なんていうので、ますます怪しまれちゃったじゃないか!ダメなときはどんなに慎重に動いてもヘマをするという人生のパターンはデクスターも同じみたいです。

翌朝。デクスターは居候中のデブラに「いい物件があるぞ」と引っ越しを勧めてみた。彼女がいるといろいろとやりにくいのである。が、デブラは興味ナシ。当分ここに居座るつもりのようである。「ぼかぁ妹を殺さないぼかぁ妹を殺さないぼかぁ妹を殺さない」と自分に言い聞かせてたら電話が鳴った。リタだった。じゃなくてリタの娘のアスターだった。彼女は「ママが急にへんになった。あちこちに電話して怒鳴っている」という。リタの家に直行。

いってみたら、リタはポールの葬式の準備をしていて、それであちこちに電話をしてうまく話が進まないのでキーッとしちゃったらしい。保険が5000ドル降りたのでそれで葬式をやるんだという。デクスターは「郡のサービスを使えば無料だ。ポールは君の夫ではないのだからそれでいいんじゃない?5000ドルは子供たちに使ったらいい」と意見を述べたら、リタはムカッとしたようすであり「わたしはあなたに意見を求めていない」とこわい顔になった。ポールは憎むべき男だったが、リタには言葉にならない複雑な思いがあるようである。ここでデクスターのナレーション。じつに彼らしい台詞デス↓

I'll never understand how people deal with death. Why they can't just put it in its place?

どうしてみんなは『死』というものをありのままに受け止めないのだろう?フシギだ。

マイアミメトロ警察。リトル・チノが弁護士を連れて現れた。みんなは驚いたがいちばんギョッとしたのはデクスターで、彼は顔を見られるとヤバいのでこっそり隠れた。顔に大きな傷がある。デクスターによってつけられたものだが、彼は「ひげ剃りでミスった」と述べた。彼は堂々と署に入ってきて「おれはエヴァを殺してない」と述べ、ビデオを出した。それは完全なアリバイを証明するものだったので、刑事たちはますます頭にきた。つまりヤツはこうなることを見越してわざと自分の同じような殺し方をするようにだれかに命じたのに違いない。わざと自分に嫌疑をかぶせといてからアリバイを証明すれば逃げられると考えたのだろう。てわけで、デクスターはますますコイツを殺さなきゃと思うんだが、もはや一刻の猶予も許されぬと思うわけだが、あの巨体をドコに捨てりゃいいのかという点が問題である。

マスウカが「ちょっとー」と呼ぶのでいってみたら、海底の死体袋の映像だった。ふたりはこりゃまたすごいねと意見を交換した。マスウカは「犯人は死体が見つかるなんて夢にも思ってなかっただろうね」と述べ、デクスターは「ぼくもそう思う」と答えた。「もしマスウカがベイ・ハーバー・ブッチャーだったら、死体をどうやって隠す?」と聞いてみた。彼は自信満々の口調となり「いくらでもあるさー、エヴァグレーズ(フロリダの大湿原)に捨てる、アリゲーターに食わせる、ブタのエサにする、硫酸で溶かす...」とズラズラ並べて、最後には「ミートパイでもいいか」なんていうが、デクスターにとっては大問題なので、なんでかっていうと、リトル・チノの巨体を隠さなくちゃいけないから「だれにも見られずにやるとしたらどれも難しいだろ?」と聞いてみた。マスウカは「他にいい方法ある?」と聞き返すので彼もわからないのだ。くそォ。

FBIからロックスターのような触れ込みでひとりの捜査官がやってきた。デブラ風にいうと "fuckin' entourage" となる。フランク・ランディ(Frank Landy)捜査官はキリリとした風貌のシルバーグレイで、彼は数々の難事件を解決した捜査官として知られている。スーパースターだ。彼がベイ・ハーバー・ブッチャー事件の指揮を執ることとなり、FBIとマイアミメトロ警察は合同タスクフォースをつくって捜査することになった。ラグエルタはドークスに「あんた、出世したかったらタスクフォースに志願しなさいよ!」とハッパをかけた。本人も熱い刑事魂が内側で燃えているようである。ランディがきたので、みんなは会議室に集まってブリーフィングを聞く。

海底から引き上げられた死体のうち14名の身元が確認されたという。ランディがスライド写真を紹介しつつ「アイストラックキラーに似てるところもあるけど、ちがうぶぶんもある」と説明し始めたとき、ルディことブライアン・モサの写真が出てきた。デブラはえぐられるような感情を抑えることができず目に涙。一方、デクスターは別の意味でエモーショナルとなる。写真のブライアンが「おれがいなくて寂しいだろ。ブラザー」といってるような気がした。デクスターはひとりで頭を冷やして考えて「今夜リトル・チノを殺る」と決め、武器をゲット。こんどはマイアミメトロ警察の武器庫にいって「子犬がアリゲーターに食べられた」とかいって、猛獣用のスゴイ麻酔銃をふたつもレンタルした。

デブラ。きぶんを直すためにジムにきた。サンドバッグのやり方がわかんなくて手を痛めそうになった。そこに親切アンちゃんがきて「教えてあげるヨ」といわれたが、彼がテーピングを出してきて、そのピーッていう音を聞いたら、ルディにガムテで拘束されたときのことを思いだしてきぶんが悪くなり、逃げるように出ていった。アンちゃんはわけがわからなくてボケーと見送ったが、彼はまた出てくるのかな。

デクスター。家に帰ったらデブラと鉢合わせした。リトル・チノのことで頭がいっぱいのデクスターは妹を気遣うことを忘れちゃったみたいであり、うっかり「調子はどうだ?」なんて聞いちゃったものだから、デブラのきげんは悪くなった。「調子はどうだ?!ハァ?わたしゃシリアルキラーの恋人のデッカい写真を見せられてそりゃもう幸せだわ!」と怒った。デクスターという人物は他人の心を読むことには長けているはずなのだが、シーズン2に入ってからというもの、ピンチ連続のせいで妹の心を読み切る余裕さえ失っている。テンパッてる自分に気づいていて、それがさらに彼の心を重くさせるのであろう。

その夜、リトル・チノを再び襲ったが、またしても失敗。暗がりで待ち伏せして麻酔銃をズドン。のはずだったが、リトル・チノの子分に邪魔されて、追われる身となった。下水に身を潜めてやりすごすのが精一杯。完全に悪循環のカラ回り。血の池のフラッシュバックに再び襲われ、ブライアンの幻影に怯えた。かなりヤバい!

翌朝。マイアミメトロ警察。やるきまんまんのドークスはFBIのランディに「私をタスクフォースに加えてください!」と直訴した。相手はドークスが有能であると認めたが、その答えはツレないものだった。「君はチームメンバーよりリーダーに向いてるタイプだ」なんだそうである。スマートな断り方。ドークスという男はこんなときの対人処理においてまったく不器用である。なにかウィットの利いた切り返しができればいいのに、ドークスはドークスなのでウグッと不機嫌そうに黙り込むのであった。

デクスター。翌朝になって泥だらけの格好で家に帰ってきた。リトル・チノに追われて下水に隠れていたんだろう。ヘトヘトで帰ってきたら、こんどはこわい顔のリタが現れた。彼女はずっとデクスターを探していたんだそうである。「ポールの葬式にいっしょにきてくれ」という話であった。ポールは暴力男だったし、既にふたりは離婚していたのだからテキトーに死体を埋めておけばよいではないかとデクスターは思うのだが、リタは「これはだいじなサヨナラの儀式である。あなたもいっしょにきて」というのである。しょうがないからついていくことにした。リタと子供たちといっしょに教会にきた。ここでデクスターの声のナレーション↓

If I believed in God, if I believed in sin, this is the place where I'd be sucked straight to hell. If I believed in hell.

神様っているんだろうか。もしいるならこの場所はぼくが地獄へと送られる通過点なんだろうな。待てよ。地獄ってあるんだろうか。

リタと子供たちが最後のお別れをしている間、デクスターは席に座って彼らの背中を眺めていたが、ここでブライアンの幻影が出現した。ブライアンは自分を殺したデクスターを責めることもせず、ただそこに座って弟の苦悩を見守っているようである。デクスターはまずは自分の心の中からブライアンを追い出さなくちゃと知るのであった。そのときの会話↓

Dexter: You're still here.
Bryan: I never left.
Dexter: Yeah, you did. I killed you.
Bryan: No, you just took my life.
Dexter: So, how do I make you go away?
Bryan: Hmmm... you can try doing what these people are doing.
Dexter: I'm not like them.
Bryan: Now, if it helps, then I can tell you it's not your fault, what you did to me.
Dexter: I never said it was.
Bryan: But you feel it.
Dexter: How do you know that?
Bryan: It's human nature.
Dexter: I'm not human.
Bryan: You're just fucked up.
Dexter: I need to let you go.
Bryan: You think it's as simple as that?
Dexter: Nothing's simple.

エンジェルとデブラが汚名挽回とばかりにヒスパニック住人たちに聞き込みにいったが、彼らは警察を嫌っているのでドアさえ開けてくれない。ここでデブラは子供が車にラクガキしているのを見つけた。少年を必死で追いかけて捕まえた。そして相手は武器を持たない子供だというのに銃をつきつけてチビらせるという、クリント・イーストウッドでもやらないブチキレぶりを見せた。子供はおしっこをチビッて、聞かれもしないのにドラッグのありかをペラペラしゃべった。そのおかげで、リトル・チノが属するギャンググループである29thストリートキングスのわるもんをゾロゾロ捕まえた。彼らの根城をSWATが一斉摘発。武器、ドラッグ、マネーロンダリングの証拠をがっちりおさえたので、相当数のギャングメンバーを逮捕することができた。この成果は上々だが、リトル・チノはそのアミにひっかからなかったという。

デブラが銃をつきつけた少年はJoey Nunezという。ギャングの大量逮捕は喜ばしいが、エンジェルはデブラのブチキレ具合を見て心配になり、危険を察知したようであり、デクスターに少年の名前を教えてそのことを教えてやった。妹に注意しておれという意味か。デブラは前回バーで男にヒジテツをくらわせたし、今回は子供に銃を向けたということで、いまはまだ『乱暴なおまわりさん』程度で済んでいるが、エスカレートするとヤバいかも。

エンジェルは「妹に注意しろ」という意味でデクスターに耳打ちしたのだったが、デクスターは別の意味でヤルキになった。いまリトル・チノを殺さないとJoey Nunezがヤラレちゃう。てわけで3度目のトライ。こんどは成功。ふぅ。やっとこさ目的を果たした後は、さて死体をどうするんだという話になるわけだが、こんどはいつもよりずっと沖に出て沈めてやった。ここまで離れてしまえば、海流にどんどん流されて発見されることはないと考えたのだ。死体袋をドボンと落としてたらリタから着信コール。「話があります。いますぐです」という。なんかこわい調子。リタの家に行かなくちゃ。あー忙しい。

リタの家。テーブルの上にはポールの靴。リタはすべての疑問をぶつけるつもりでデクスターを呼んだのである。彼女は「ポールは死ぬまで靴にこだわっていた」と述べ、彼が死んでいった経緯を説明した。さらに「あなたと出会ってわたしは救われた」と述べ、ポールに対する複雑な心情を述べた。「彼が暴力男だったのは事実だが、その彼を死刑台に送ったのはわたしだというのもまた真実である。わたしのいまの幸せは彼の犠牲の上に立っている」という。彼女の顔はものすごく真剣であり、ここでデクスターがひとこと余計なことをいおうものなら、すべてがパーになるぞという張りつめた緊張感がある。

「あなたはポールを殴ったのか?」と聞かれたデクスターは隠しておけなくなった。「君と子供たちを守るためにポールをハメた。彼をブンなぐって、家に連れていって、ヤクを射ってやった。突発衝動的な犯行である」と告白した。リタは感極まったようすであり、ものすごく複雑な思いが胸に去来するようである。彼女は押し殺した声でさらに質問をした。「ドラッグをどこで手に入れたの?」と聞かれたデクスターは「警察の証拠部屋から盗んだ」と答えた。

この返答を聞いたリタはまたまたこわい顔になったので、デクスターは恐怖にふるえあがった。「突発的に殴っておいて、ドラッグを用意しておいたというのはへんである。あなたは『突発的に』予定行動をしたのか?」なんていう台詞は検事みたいだ。子供のいたずらを叱る母親のようでもある。このシーンのリタはものすごく恐ろしい。シリアルキラーより恐ろしい。腕組みポーズで「そもそもどうしてヘロインの扱い方を知ってたのだ?」と尋問する口調はビッグママである。デクスターは沈黙。こわくてなにもしゃべれなかったみたい。

リタは沈黙するデクスターを見てひらめいた。「わかったわ!わたしはいままで気づかなかったなんて、なんてニブかったのかしらね」なんていいだすので、デクスターはむむぅと黙って、そのようすはいたずらがバレた子供のように見えるが、神の審判を待つ罪人のようでもある。リタは続けてこういった。「あなたは麻薬中毒者だったのね!あのドラッグは警察から盗んだのではなくあなたのものだった。だとすればぜんぶ説明がつく。あなたはクラーク・ケントみたいに姿を消しちゃうときがある。あれはぜんぶヤクのせいだ。そうにちがいない!」

デクスターはうぐぅと黙ったまま。眼球がまたたくように動いて、不安いっぱいである。ビッグママの最後の質問が飛んできた。「正直に答えなさい。あなたはヤク中なのか?」と聞かれたデクスターはいまこそ告白するしかないわと思って「はい、ぼくは中毒者です」と答えてみた。リタは泣き出したいのをこらえつつ「えらいわ、デクスター。あなたはファーストステップをクリアした。まずは告白することがだいじなの。わたしがあなたを助ける。いっしょにがんばりましょう」と母のようにデクスターを抱きしめた。ふぅ。どきどきしたー。

デクスターの告白はその一部が当たっていて、一部が外れているという点を知るのは本人とわたしたちだけである。その後の彼の声のナレーションはたいへん文学的である。デブラがひとりでジムでパンチングをしているシーン、仕事を終えたデクスターが宿敵フランク・ランディにスマイルするシーンを見ながら以下のナレーション↓

If the eyes were a window to the soul, then grief is the door. As long as it's closed, it's the barrier between knowing and not knowing. Walk away from it and it stays closed forever. But open it, and walk through it, and pain becomes truth. And now I'm faced with the struggle for my own survival that I always knew was coming. I've been preparing for this my entire life.

もし目というものが魂を呼び開く窓であるとするならば、悲しみはドアである。それが閉じられている限り、そのバリアがあるせいで、私たちは知らなくてよいことを知らずに済んでいる。だからできれば悲しみのドアは閉じたままのほうがよいだろう。いったんその扉を開けて部屋に足を踏み入れたら、痛みは真実となる。そしていまぼくは究極のサバイバルに直面している。ぼくはいつかこれが来ることを覚悟していた。ぼくは人生のすべてを賭けてこの瞬間に備えていた。

家に帰って、リトル・チノの血痕スライドをコレクションケースに収めた。大男だった彼は他の犠牲者たちと同じサイズになった。ふぅ。そこにデブラが戻ってきて、彼女は「引っ越しをするよ」という。町を流して "for rent" の看板を見てきたところだという。「これでアニキは元通りにピカピカの部屋に住めるだろ?」なんていったが↓

Then, "Chez Dexter" can return to its original semi-lived-in-museum-quality-state.

でもデクスターはリトル・チノを殺したばかりですっきりしたところだったので、いつもの優しいお兄ちゃんになっていた。「オイオイ。まだここにいればよい。おまえに引っ越しを勧めたのはぼくの間違いだったと気づいたところさ」と答えた。デブラはうれしそうであり「ほんとうに?」というと「ウソさ。出てけバカ妹め!」「あすほーる!」というのはもちろんふたりだけにわかるジョークで、ふたりはいつもの調子に戻った。スィートである。ハリィがデクスターにこうあってほしいと望んだのはこの空気なのだった。そしてデクスターもこれがすごく気に入っている。

翌朝。デクスターはひとりで海に行ってブライアンと決別する儀式を行った。肌身離さず持っていたバービー人形のキーホルダー。それを外して万感の想いを込めて海に沈めた。グッバイ、ブラザー。ラストで海からブライアンの幻影がズバッと現れ、デクスターの手首にしがみついた。ふたりは見凝めあい、最後の無言のお別れをして、彼の手をふりほどいた。ブライアンのゴーストはマイアミの海に沈んでいった。

I had to say goodbye, in order to reconnect with what's really important. With who I was. With who I have to be. Rest in peace. I am.

※感想

あー、どきどきした。かなり長くなったけれど、これでもずいぶん削りました。ナイスなquotesがありすぎて、とてもぜんぶ紹介しきれない。映像の前にエピガイを読んでる方も、ゼヒゼヒ映像も見てください。エンジェルがなんでもかんでもuniverseつながりにするのがおもしろかったし、マスウカの「ナーイス」がメチャウケました。

シーズン2になってからのデクスターは自分のケツを拭くばかりに気を取られて、ポカミスの連続で、なんとかギリギリセーフという調子である。それはそれですごく緊迫感があるんだけれど、一方、『自ら行動するデクスター』という自信にあふれた彼の姿もまたよいものなので、そういうのも見たいなと思うものの、この調子だと当分はそうもいってられない調子ですネ。リトル・チノを殺すのに、警察の武器庫からレンタルしたというのはかなりヤバいのでは?「子犬をアリゲーターに殺されたから」とかいってたけれど、ああいうのって記録に残るんでしょう?後からドークスに知られたら怪しまれる!そのドークスは、ベイ・ハーバー・ブッチャーの方で頭がいっぱいになって、そのぶんデクスターへの興味が半減したような風にも見えるのでこれはラッキーな点かもしれない。でもランディというオッサンはかなりヤリテっぽいので彼が安眠できる日はまだまだ遠そうですね。といいつつ、彼は殺しがやめられないというのも真実なのである。addictだから。

エピガイには含めなかったけれど、パスカルがまた浮気男とモメてるようなサブストーリィがあるが、あれはどういうふうにこの先絡んでくるでしょうか。意味ナシってことはないですよねたぶん。

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  • Title: 2-02 :: Waiting to Exhale
  • First Aired: 2007-10-07

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Director:

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Recurring Role:

Guest Star:

Thanks to: imdb.com, tv.com

Boo太郎 (2007.10.13 12:38)

私これ好き。
始まりがtinkerさんのこのエビガイなので、実は映像を一度も見ていないんですけど小説読んでるみたいですっごくはまりました。
リタがデクスターを問い詰めるとき、きっと映像ではとってもシリアスなんでしょうが、なんだか私笑えてきちゃうんですが。。この感覚が楽しいです。
日本でどうやったら見れるでしょうか?
実際みたら、自分感動してチビルかも。

tinker (2007.10.13 20:45)

お読みくださりありがとうございます。小説みたいだなんていわれちゃうとものすごくうれしく、また複雑でもあります。なんでかっていうと、映像のインパクトをまるで伝えきれてないよなーと思いながら書いてるので。リタを演じるジュリー・ベンツはものすごい大げさ演技で、いちいちウルウル顔でしゃべるんで最初のころは笑ってみてたんですが、さいきんは完全にハマってヤラレてます。DexterがiTuneで売ってるかどうか知らないんですが、売ってれば最新エピを見れるし、さいきん日本のどっかの局でやりだしたんでしょう?いまシーズン1を日本でオンエア中じゃなかったでしたけ?あるいはもうすぐやるの?

よぉ (2007.10.15 12:24)

初めて書込みしますドキドキです(≧ω≦)
24で海外ドラマにはまり、トゥルーコーリング等色々見ましたが今はプリズンとヒーローズにはまってます。
友達に教えて貰ってここを拝見するようになってからデクスター猛スピードで読みました!
やっとのコトで1話だけ映像見たのですが、エピガイがあまりに素晴らしいのでちょと期待はずれ・・て感じでした。
ホントにいつもいつも素晴らしいですネ!
私も入手するのが難しくてゆっくりですが、エピガイの方でこれからも楽しませて頂きます!

momo (2007.10.15 19:41)

tinkerさんはじめまして。
エピガイいつもお疲れ様です。楽しく拝読しています。
デクスターは、日本ではシーズン1がFOX CRIMEで放送中です。もうすぐ、シーズンフィナーレだと思います。
私はたまにしかデクスターをみていなかったのですが、シーズン2のエピガイを拝読して、シ?ズン1の放送を見ました。
ホテルの部屋が血で真っ赤の回です。記憶が蘇っていくところが、見ごたえありました。こんなことなら毎回見ればよかった・・・と後悔してます。
たぶん再放送があるでしょうから、最初からシーズン1をみて観ますね。本当に役立つエピガイいつもありがとうございます!

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