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デクスター/Dexter :: 1-04 :: Let's Give the Boy a Hand :: ネタバレ

transデクスター/Dexter。シーズン1の4話。シリアルキラーのハロウィーン。ネタバレ!
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SPOILER!!!
ネタバレです!!!
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デクスターの声のナレーション。「人と仲良くなるっていうのはややこしい。自分の本当の姿を見られてしまうかもしれない危険がある。ぼくの場合、それはぜったいにあってはならない。マスクのヒモをしっかり締めとかなくちゃ」

ビーチの事件現場でエンジェルが待っていた。男性のものと思われる手首がビーチのチェアに放置してあった。切断後2時間くらいだという。「アイストラックキラーかな?」とエンジェルは聞くが「この手首には血痕が普通にあるから違うんじゃないかな」と答える。手首の近くには現場のポラロイド写真が残してあった。ここでデクスターは周りの風景を見て、ずいぶん昔にこの場所で家族写真を撮ったことを思い出した。

フラッシュバック。父母妹といっしょにスナップ写真を撮るんだけど、デクスターはビーチが嫌いなので顔が引きつっている。父が「どうした?」と聞く。「ハッピーなフリをするのはいやだ」「ママを喜ばせてやれ。写真を撮るときはニカッとスマイル。これが基本。な?」「うんわかった」デクスターは父に言われた通りにスマイルした。みんなは喜んだ。フラッシュバックは以上。

デクスターは急いで家に戻ってその写真をアルバムから探した。手首が置かれてあったのと同じ場所だとわかった。きもちわるい。かつて自分の家に侵入した犯人がアルバムを盗み見ていったのではないかと不安になる。もしかしたらもっとヤバい秘密を知られたのかも。エアコンの奥のアレ。デクスター、戦慄する。

手首は前回ラグエルタが強引に容疑者と決めつけたTucciのものであった。ゆえにTucci犯人説は否定された。彼は被害者だったのである。ラグエルタの立場は悪くなった。彼女はTucciの母親に謝りにいった。悲しみの母親は「とにかく息子の遺体を見つけてほしい」とだけラグエルタにいった。彼女はぜったいそうすると約束した。

デクスターはリタの家でハロウィーンの用意中。隣家のイヌがワンワン吠えている。子供たちがいうには毎日ずーと吠えていて夜も眠れないという。隣人は犬を一日中外にくくって散歩にも連れて行かないのだそうだ。それを聞いたデクスターが苦情をいいにいった。出てきた女性は反省する様子もなく「耳栓つかえば?」とドアをバタンと閉じた。

リタと子供たちといっしょにハロウィーンの衣装を買いにいく。ここでデクスターのナレーション。「ぼくはハロウィーンが好きだ。1年で一度だけみんながマスクを被って(ぼくみたいな)モンスターになったフリをする。みんなはそれがおもしろいと思っている。ところがこのぼくは、人生のすべてをかけて『モンスターじゃないフリ』をしているのだ。ぼくって詐欺師なのかな」

翌朝。こんどはTucciの足首が発見された。サッカーのスパイクを履いていて、隣にサッカーボールが置いてあった。ボールの下にはその現場のポラロイド写真。今回も手首と同じく血痕がベッタリ。

これもまたデクスターの過去を暗示していた。フラッシュバック。少年時代のサッカーコート。デクスターが友達といっしょになって、1人の同級生をからかって遊んでいる。そこを父に見られて「友達をいじめちゃいけない」と諭される。「みんなと同じにしてないといけないんでしょう?」「でもいじめはしちゃいけない。いぢめられた方はずっとそれを覚えているぞ」「うんわかった」フラッシュバック以上。

というわけで、前回の手首といい、この足首といい、デクスターの過去を、それも秘密の過去をすべて知っているぞという犯人からのメッセージなんだとはっきりわかってしまった。

ドークスが質問する。「なんでいままでは血がなかったのに、今回のヤツは血痕があるんだ?」「なにか意味があると思う。犯人はメッセージを送ってるんだろう」「メッセージ?だれに?なんの?はっきりいえコノヤロ」「それはわかんないよ」「ケッ。能ナシが!」

デクスターは気絶しそうになるほど顔色が悪くなるが、隣にいたエンジェルはそれはドークスの毒舌のせいだと思って「あいつは鑑識が嫌いなんだ。気にするな」と慰められた。

デブラはラグエルタに呼ばれて、ビーチ付近のあらゆる施設の監視テープをどっさり渡され「犯人を探せ」といわれた。彼女はいやいやそれをやっている。

デクスターが署に帰って手首と足首を調べたら、オドロキの新事実が浮上。手首も足首も、心臓が動いている状態で切断されたものであるという。生きたまま切断されたってことだ。手首を切った24時間後に足首が切られた。つまり犯人はTucciを生きたままその体を切り刻んでいて、毎朝体の一部をどっかに置くつもりじゃないかってことだ。Tucci生存をわからせるために、今回は血痕が必要だったのである。

Tucci生存説を聞いたラグエルタは、すべての警官をTucci救出に回した。そして悲しみの母親に電話し「息子さんは生きている可能性があります。全力で救い出します」と約束した。

刑事たちはヤルキまんまんだが、悲しいかな手がかりナシ。マイアミは広い。犯人がどこに現れるかなんて誰にもわからない。デクスターだけが犯人の意図を知っているが、彼はみんなにそれをいうことはできない。でもひとつだけヒントをいった。これまで犯人がTucciの体の一部を置いていった場所には共通点があって、それは過去に名前が変わっているっていうことだ。手首が置かれたビーチはその名前が変わっていたし、足首が置かれたオフィスパークはかつてサッカー場だった。

これは確かにヒントではあるけれど、マイアミは大都会であるから、過去数年間に名前が変わった場所なんて数えきれないほどあるからあまり有益とはいえない。とにかく警察は、できる限りパトロールを強化するしかないのだった。

3日目の朝。今度はTucciのふくらはぎが発見された。その場所もまた父との思い出の場所だった。もう疑いの余地はない。犯人はデクスターを弄んでいる。何も知らないデブラが現場に来て「ここって昔パパといっしょに来たことがあるよね」といった。ラグエルタは「Tucciはまだ生きてるだろうか」と聞き「もう長くはないだろうな」と答えた。

リタは彼女らしくない大胆な行動に出た。隣家のうるさいワンワン犬を拉致して犬好きな少女たちにあげたのだ。日頃は泣きべそリタだが「子供たちを守るためならナンだってやるわ」という気概を見せてくれた。母は強い。その頃、寝不足の子供たちはデクスターといっしょにいて、"damn dog" という言葉遣いを注意されたが「リンジー・ローハンもいってたもん」と言い返していた。間もなく "damn dog" がいなくなったことがわかって隣家は静かになり、子供たちはハッピーになった。ワンコも良い飼い主に恵まれてこちらもハッピー。

リタの家に安らぎが戻り、子供たちはハロウィーンのTrick and Treatにでかけた。デクスターは家に帰って、アルバムを開いて犯人が現れそうな場所を探していた。そこに来客。

リタだった。彼女はニンマリ顔で入ってくるなり「わたしをどーぞ」なんつってコートを脱ぎ、その下から出てきたのは超セクシーなコスチューム。トゥームレイダーのララ・クラフトだという。そう見えなくもない。「ナニゴトですか!?」とビビるデクスターに迫ってきた。デクスター、なすがまま。大人のハッピー・ハロウィーン。

リタが机の上の写真を見つけてBIGなヒントをいった。その写真は、ハリィがサッカー少年のデクスターを撮ったさりげないスナップだが、撮影者(つまりハリィ)の影が映っているのだ。リタはその影がすごくいいといった。「いつも父といっしょだ」という暖かみが感じられるからこの写真はすごくいいねなんて彼女がいうので、デクスターはハッと気づき「君は天才だ」とブチュー。

リタが帰った後にデクスターは1枚の写真に注目した。それは祖父が勤めていたという病院の前で父といっしょに撮ったヤツで、その病院はその後間もなく閉鎖されたのだ。写真を裏返したら、犯人が残したと思われるラクガキを発見。間違いない!

ひとりでそこにいってみた。Tucciを発見。彼は瀕死の状態で生きていた。ベッドにくくりつけられ、手足は切断され、目隠しをされている。彼は意識がある。デクスターが近づくと足音に気づいたようだ。「お願いだからもう殺してくれ。これ以上おれを切り刻むのは止めてくれ」とTucciは訴える。

デクスターは犯人の意図を100%理解した。これはサイコパスがサイコパスに贈ったギフトなのだ。「コイツを使っておまえの殺人衝動を満たしたらいい」と犯人はいっているのである。デクスターが慄然と震えていたらば、不意に人影が!階上からシャッター音とストロボの光。犯人はサッと逃げた。Tucciを見つめるデクスターのポラロイド写真が落ちていた。

デクスターはもちろんTucciを殺さない。彼は悪い人しか殺しちゃいけないと父に教わったし、彼自身もそんなことしたくない。署でひとりビデオチェックをしていたデブラの元に匿名情報が寄せられ、またも彼女のお手柄でTucciは救出された。デクスターがデブラに手柄を回したんだと思うが、もしかして犯人がやったの?とも思える。デクスターは犯人が残したポラロイド写真を秘かに焼き捨てた。

※以上が今回のエピソードの全容ですが、これと同時進行で2つのサブストーリィも展開しました。まとめて書きます。

(ドークスとゲレロ)

ドークスはゲレロの子分に四六時中尾け回されるようになった。どこにいってもチンピラがギロリと彼を睨んでいる。無言の脅し。ゲレロの子分をリンチしたのがドークスだとやつらは思っているのだ。ドークスは警官仲間であり、殺されたシモンズの妻の兄と口論になる。遊びの付き合いではなかったことを強調するが、相手は信じない。

深夜。ドークスはゲレロの子分に拉致された。駐車場に連れ込まれ、そこにゲレロが現れて暴行される。殺されるかと思った瞬間「警察だ!」の声。口論相手の警官だった。彼はつまりドークスをオトリに使ってゲレロをハメたのだった。「先に教えてくれりゃいいだろ!」というドークスに「これでチャラにしてやる」と彼は答えた。ゲレロは警官殺しの罪で逮捕された。

(エンジェルの結婚記念日)

エンジェルはスペイン語チャンポンの喋り方をする温厚な男である。ドークスがデクスターを罵倒すると、いつも「気にするな」とかばってくれる。彼は妻との結婚記念日に買ったのだといって、四葉のクローバーの形をしたブローチをデクスターに見せて意見を聞いた。「これはバタフライに見えるからやめたほうがいい」とデクスターは答えた。エンジェルは別のデザインのブローチを買ってきてもういちど見せたら、これもまたよくないようなことをいう。エンジェルはさらに別のブローチを買ってきた。彼は妻を深く愛しているのだなと私たちは感心する。こんどはデクスターがいなかったので、デブラに意見を聞いた。彼女は「すごくきれい」と答えた。

やっと気をよくしたエンジェルがプレゼントを持って妻に会いにいった。ここで私たちは意外な事実を知る。彼は妻とうまくいってなかったのだ。理由はわからないが、それはものすごく深刻なありさまで、エンジェルは深く妻を傷つけたらしい。彼は悔やんでいるが、許してもらえないのだ。

妻は「結婚記念日だろうがナンだろうが、あんたのやったことは許せん。もっと時間が要る」という。ブローチに賭けた彼の思いは届かなかったのだ。妻は彼のプレゼントを完全拒否するが、彼が娘に会うことは許してくれた。エンジェルはベッドで眠る娘の顔を見て "Lo siento(ごめんなさい)" とささやき続ける。

※感想

ハロウィーンネタにデクスターのウラの顔、つまり彼の「マスク」をかけたシャレ的なサスペンスであった。「人には誰にもいえない裏側がある」というテーマが通底しており、父との回想シーンや、ときおり挿入されるデクスターの声のナレーション、さらにリタの意外な一面なんかが織りなすように描かれ、また、サブストーリィのエンジェルの悲しいお話もまた「人の裏側」を描いている。よく練られた脚本であった。

ドークス = ゲレロのアレも楽しかった。もしゲレロがこの先も登場してくるようなら、彼はたぶんヤリ手の弁護士を使って復活してくるのかな。またはこのまま消えるのかな。

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  • Title: 1-04 :: Let's Give the Boy a Hand
  • First Aired: 2006-10-22

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Thanks to: imdb.com, tv.com

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