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デクスター/Dexter :: 1-06 :: Return to Sender :: ネタバレ

transデクスター/Dexter。シーズン1の6話。ネタバレ!
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SPOILER!!!
ネタバレです!!!
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「人生はいつ終わるかわからないものさ」というデクスターのナレーション。リタの息子のコディといっしょに死んだ金魚をトイレに流しているというシーンから始まるエピソード。

順調だった人生すべてが崩れ去り、お先真っ暗の迷路に立たされる。このエピソードでデクスターはそんな恐怖を味わうことになるのだが、それは朝の一本の電話から始まった。あのスクラップ工場、デクスターが人知れずホルヘ・カスティーヨとその妻を処刑したあの場所で死体が発見されたという。ナヌー!

彼は戦慄する。現場に到着すると、警官たちが慌ただしく捜査している。鑑識の彼にとっては見馴れた光景だが、今朝のコレは違う。ここは昨夜自分が人を殺した場所なのだ。彼は細心の注意を払って死体を処分し、痕跡を消したのだ。それなのになぜ?失神しそうになるのを必死でこらえて封鎖テープをくぐった。

スクラップ工場のバンの中で女性の死体が発見された。そこは彼が処刑した場所であり、その女性は彼が殺害して海に捨てたはずの女性だった。彼はナニ食わぬ顔で現場検証を行うわけだが、じつにまったく気が気でない。どこかのだれかが、恐らくはアイストラックキラーが昨夜のデクスターの行動を見ていて罠にかけたことははっきりしている。スマートな彼が完全に一歩リードされている。敵は「おまえを好きなようにハメてやれる」とニタリ笑いをしているようであり、それはまったく腹立たしいが、腹を立ててる場合じゃない。とにかくいまは自分を守らないと!

てわけで、彼は自分が殺した死体を検証する。これが自分の仕業でなければ「この犯人はなかなかやるな」と尊敬の台詞がでるくらいの鮮やかな手際である。死体のビデオ撮影をしてたらマスウカが首の注射跡を発見した。デクスターはそれが自分がつけた注射跡であると知ってるわけだが「虫かもしれんね」という。

デクスターが死体を調べている間、ドークスとデブラがスクラップ工場の敷地内にだれかを監禁してたらしい場所を発見した。床に電話番号を削った跡があった。デクスターと私たちはそれがかわいそうなキューバ人たちだと知ってるわけだが、みんなはまだ知らない。そして、スクラップ工場の車のトランクに、キューバ人の子供が隠れているのが発見された。彼はものすごく怯えているんだが、ラグエルタが手を伸ばしたら出てきた。少年は犯人を見た可能性が高い。前回ラストのギョロリ目玉はこの少年だったか!

キューバ人の少年は悪い女性(カスティーヨの妻)に捕まったのを誰かに助けてもらって、それからそこのトランクの中に隠れていたんだという。というのだが、前のエピでデクスターが女性を襲うときに少年の姿はなかったので、いったいどこで?と思うんだが、とにかく彼はそこにずっと隠れてたそうで。

やがて死体の身元が割れ、その夫のホルヘ・カスティーヨが行方不明になってることがわかり、監禁場所にあった電話番号からキューバ難民の話も聞けた。カスティーヨとその妻がキューバ難民に関わる非合法ビジネスをやってたことまではわかったが、だれが難民たちを解放したのかが謎である(それはデクスターなんだが)。

行方不明になってる夫が第一の容疑者であるから、デクスターに疑いが及ぶことはなさそうだが、それでも彼は心配でたまらない。ここでマスウカがヤバいことに気がついた。彼は首の注射跡にかなり注目していて、そして検死報告の結果の中のM-99という薬品に大注目する。これはモルヒネの何十倍もの効果を持つ劇麻酔薬で、入手は厳しく制限されており、政府の薬事関係の記録を見ればそれを持ってるヤツがばっちりわかるんだと彼はうれしそうにいった。マスウカにはもうドーナツをあげないぞと思う。デクスターはマスウカのコンピュータを勝手にいぢって自分の名前を他の医師に差し替えるというギリギリ綱渡りの証拠隠滅工作をした。

残る問題はトランクから出てきた少年である。彼はデクスターの顔を見ているのだ。現在、少年はソーシャルサービスの保護下に置かれていて、なぜかラグエルタにものすごくなついてしまったので彼女がめんどうを見ている。ラグエルタは少年にすごく優しい。彼はトラウマティックに怯えているが、きもちが落ち着いたら似顔絵を描かせる予定だという。デクスター、それを聞いて気が気じゃなくなる。

こんどはデブラがやってきて「私が徹夜で考えたプロファイルはどう?」といってきた。彼女は夫が妻を殺した説を信じてなくて、アイストラックキラーの模倣犯ではないかという説を独自に練り上げたのだ。

デブラの考えた模倣犯説。この犯人はアイストラックキラーに憧れている。致命傷ではない頬の傷は犯人のシグネチャ的なもの。証拠を消し去る手口から見て、犯人は警察組織の鑑識の知識がある。白人。30代。一人暮し。感情を押し殺すタイプ。

ス、ス、スルドイ!デクスターそのまんまでドンピシャリだ。デブラはこの模倣犯説をラグエルタにまだ話していないが、その前に兄の意見を聞かせろという。デクスターは妹に「すまぬ」と思いつつ「あまりにありきたりすぎるね。テキストブックそのまんまだ。ラグエルタにおまえを格下げするチャンスを与えるようなもんだぞ」と嘘をつく。デブラはがっかりする。彼女は自分の説が正しいと思っているので、兄が止めるのを聞かずに刑事たちの前で自分の考えを聞かせた。ドークスは人員を総動員して現場検証をもう一度徹底的にやるといった。少年が似顔絵を作るために署にやってきた。

というわけでかなり追いつめられたデクスターは絶望的に人生を振り返ったりして、悪夢にうなされるなんていうことも初体験する。神経がジリジリと疲弊する中、リタが助けを求めてきた。彼女の離婚調停中の夫、ポールが刑務所から出てきたというのだ。彼は娘のアスターのバースディに家にやってくるという。リタはポールにものすごく怯えていて、どうせ断ってもむりやり押し入ってくるだろうといい、デクスターに「同席してくれ」と頼んだ。

デクスターはいまそれどころじゃないわけだが、彼はものすごい忍耐力で彼女を安心させる努力をする。彼女の話を聞いてやり、自分は必ずそこに行くと約束し、「2人でこの問題を乗り切ろう」なんていいつつ、頭の半分では「元夫は暴力亭主で、ボーイフレンドがシリアルキラーだなんて知ったら彼女はものすごく傷つくだろうな」なんて考えている。彼は持ち前の忍耐で人前にいるときにはいつものデクスターだけど、ひとりになると完全に目が泳いでいる。

デクスターの不安顔とオーバーラップするように、回想シーンがとりおり挿入される。息子の殺人衝動を知った父がデクスターに射撃を教えている。父と息子が休日になると仲良くでかけていくのを見たデブラはそれが気に入らない。「お父さんを取られた」と彼女は思っているのだ。父息子がこっそり射撃の練習をしてるのを彼女は知ってて、自分もやりたいんだけど彼女は入れてもらえない。デクスターはデブラに罪悪感を感じている。

なんていう苦い過去を思い出しつつ、人生最大の危機を感じたデクスターはさらなる証拠隠滅を図る。深夜。ナイフ等の殺しの七つ道具をすべてボートに運び、海に投げ捨てた。ここで最後に捨てるべきものを手にして彼はタメイキをつく。それはこれまで殺したやつらの血液サンプルだった。小さなスライドガラスに収まった犠牲者たちの血痕はデクスターの秘密のコレクションであり、彼の人生そのものといってもよい。彼はそれを海に投げ捨てる前にひとつひとつを眺めて相手がどんなやつだったかを思い出した。そしていちばんさいきんの犠牲者、ホルヘ・カスティーヨとその妻のスライドを取り出したとき、犯人の最新メッセージを発見する!

ソレを見たデクスターは「うぉおおおお」と興奮した。「この手があったか!」と彼は再び生気を取り戻し、そのスライドの小さな血痕を使って証拠を捏造したのだ。これにより「ホルヘ・カスティーヨが妻を殺した」という仮説の裏付けがなされ、ドークスたちはそれを信じた。デブラだけが「おもしろくない!」という顔で兄を睨んでいる。女の勘だろうか?

「夫が妻を殺した説」にみんなが納得したとき、少年の似顔絵が完成した。最初にそれを見たエンジェルは言葉を失い、ラグエルタもまた絶句した。わたしたちはその絵をまだ見せてもらえない。そこにはデクスターの顔があるのか?事件現場でデクスターが捏造した証拠が発見されてやっと安心したとき、警官がその似顔絵を持ってやってきた。デブラもそれを見て「ウッ」となる。デクスターはデブラの表情を見て、半ば「観念した」という風に顔の血の気が引く。えええええええええええええええっ?と私たちもビビる。デブラが驚愕顔でその絵を見せてくれた。そこにはイエス様の顔が描かれてあった。デクスター、笑った。腰が抜けちゃうところだったんじゃないか!

デクスターがギリギリの証拠隠滅&捏造計画をして自分の人生を死守した頃、リタも大きな勇気を出して人生を乗り切った。あれほどポールに怯えていた彼女は自ら彼にコールし「この家には近づかないで。もし来たら警察を呼ぶ。警察はあなたの保護観察官(parole officer)を呼ぶだろう。あなたはここにきちゃいけないことになってるのを忘れないで」とばっちりいってやった。彼はビビってこなくなった。

ラストではリタの娘のアスターのバースディパーティで終わる。和やかで幸せな光景だが、デブラだけが上機嫌の兄をコノヤロ顔で睨んでいる。

※感想

目が泳いじゃってるデクスターが初めて見れるという貴重なエピソードであった。知恵で乗り切ったというより、幸運が味方してギリギリ助かったというところなので、ここらへんはプリズンブレイクのマイケルが「IQ200のはずなんだけどしょっちゅううまくいかない」というのと似てるかんじがします。

ところで本筋とは関係なかったのでエピガイには加えなかったのだけれど、ドークスの家族ディナーにデブラが呼ばれるというシーンもありました。ここでの会話はすごくおもしろかった。ドークスは女ばかりの大家族でおねえちゃんがいっぱいいるという家庭だったのですね。意外な一面。意外といえば、ラグエルタとキューバ少年のアレもすごくよかった。

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  • Title: 1-06 :: Return to Sender
  • First Aired: 2006-11-05

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Thanks to: imdb.com, tv.com

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