date: 5/13 15:38
マスターズ・オブ・ホラー Masters Of Horrorの封印された第13話。「インプリント 〜ぼっけえ、きょうてえ」。
拷問/因習/苦痛/快楽/死/怨霊。舞台は西中島の遊女街。遊女を愛したアメリカ人が工藤夕貴演じる遊女に出会って聞かされる寝物語はこの世のものとは思われぬ地獄絵巻だったのでした。聞くに耐えないヘルストーリィに驚愕するアメリカ人は取り憑かれたように「もっと聞かせてくれぇ」と懇願する。決して救済のないヘルワールドを指の隙間から覗き見る60分です。
ウッヒョー。怖〜。このガクブル感は以前にも体験したことがあるゾと思って考えたら思い出しました。クライブ・バーカーのヘルレイザーを初めて観たときの感覚に近い。いやー、ジャパンホラーってすごいことになってるんですね。もうこれに比べたらダリオなんて「オズの魔法使い」ですよ。
久しぶりにビッグなホラーに出会えた気がします。舞台は時代劇ですが、英語しゃべってるし着てるものやセットも日本じゃなくて「ジャパン」です。リドリー・スコットが描くTOKYOの風景やキタノの時代劇に違和感を覚える方は好きではないかもしれません。私はあたらしもの好きなのでまったくノープロブレムでしたが。
工藤夕貴とビリー・ドラゴ(Billy Drago)の演技もすばらしい。工藤夕貴の狂気極まる演技は「死の棘」の松坂慶子並み。文句ナシに★★★★★です。オンエア中止になったときには、どうせDVD売るための手だろうと思いましたが、実際に見たらこれはアメリカでオンエアされるわけないわと思いました。農村の悪しき因習である間引きを赤裸々に描いていますし、遊女が拷問されるシーンもかなりイッちゃってます。
子供は見てはいけません。大人のための本格ホラーです。
英語題名: Imprint
邦題: インプリント 〜ぼっけえ、きょうてえ〜
directed by Miike Takashi(三池崇史)
※これを作った三池氏もスゴいと思いますが、Showtimeってホネのあるブロードキャスターだと思います。この種の残虐シーンは日本でも批判されがちと思いますが、アメリカではさらに厳しいのでは? アメリカって、悪い者(モンスターとかサイコパスとか)が派手にブチ殺されるのはオッケーだけど、罪のない人がヤラレるのはけしからん、という風潮があるでしょう?